バッサーノ産白アスパラDOP
ヴェネト州にはアスパラ生産で有名な産地がいくつかある。そのなかでも筆頭にあげられるのが、バッサーノ産のそれだ。
自然の恵みがもたらす産物とはいえ、そこに人の手がかかることにより、その生産物がひとつのブランドとして確立する。
アスパラは畑に苗を植えることにより、その先10年は生産を続ける。商品として出荷されるのは、3年以降の苗とされ、寒く長い冬が終わるころ、土表に出ている伸びた茎を一斉に刈る。そして、苗の脇を列をつくるように苗上部に土を盛り、畝を形成する。その上に黒いビニールを被せて春を待つ。
季節が以降し、気温があがってくると、アスパラは土の中でその温度を感知し、上方に向けて伸びてくる。アスパラがスクスクと真っ直ぐに伸びるためには、硬い泥状の土よりも、軽い土壌のほうが健やかに育ちやすい、というのが、同地区の土壌に適している所以でもある。
また、黒いビニールを被せる目的は、日光を遮断するため、雨から穂先を守るため、そして保温が目的である。バッサーノのアスパラはDOPとして認証されるものは白のみ。アスパラは土表に出る際に日光をあてることにより、着色してしまうため、とにかく光を遮断することが非常に大切な要因だ。
毎年の気候にもよるが、3月に入るとアスパラの収穫が始まる。朝のできるだけ早い時間、つまりは前述のように、光にあてないことを目的とし、朝日が昇りきる頃には作業は終えていなければならないので、必然的に早朝から収穫がスタートする。
まずは、被せてある黒いビニールシートをはずし、土表にちょこっと顔を出している穂先を見つけては、その地中深くに専用の鉄製のコテを斜めから入れて掘り起こす。そして次に出てくるアスパラのために、専用の木製のヘラのようなもので土の表面を綺麗に戻す。
ひとつの列を端から順番に歩いて収穫タイミングのよいものを掘り起こし終えたら、ビニールシートを再度被せ、次の畝へ…非常に単純ではあるが、この作業が5月いっぱいくらいまで毎朝続く。
ちなみにバッサーノ産白アスパラDOPにて指定される収穫時期は3月18日のサン・ジュセッペから6月13日のサンタントニオの日まで。ただし、近年は気候の変化もあり,収穫はほぼ5月で終えてしまうらしい。
収穫したものは、作業場に運ばれて水で洗い、太さを合わせて束にする。通常、形態としては1㎏の束をつくるため、それ専用の束をつくる道具が存在する。
輪の中にアスパラを綺麗に並べ、それを柳の若枝で結ぶ。長さを揃えて切り、これで完成。長さや太さ、束の大きさや形、全てに対してここならではの決まりがあり、それに従って各生産農家にて出荷作業が行われる。
その日に収穫したものは、作業場で束を完成したらすぐに最寄りの集積所に持ち込まれる。
ここでは、形や色、長さや重量、そして見た目をコントロール。これに合格したものは、ここで初めて、バッサーノ産白アスパラDOPとして認められ、おなじみのタグをつけられる。タグには、生産者の名前を入れてあるので、各束すべてが誰が生産したものかが判断できるようになっている。
そしてここからイタリア国内および国外へ出荷されることとなる。
DOPとして認めらる条件としては、
-とにかく美しい白色であること
-真っ直ぐに伸びていること
-長さ18-22cmであること
-直径最低11mmであること
-全体が丸く美しいカーブを帯びていること
-密がしっかりとしていること
-柔らかく、筋ばっていないこと
-新鮮でアスパラならではの香りを保っていること
-1束は約1.5kgの重量であること
-形が均等であること
-束は柳の若枝でしばってあること
-生産者は組合に登録してあり、生産基準に従った生産がなされていること
等となっている。
バッサーノ産の食べ方として有名なのは、茹でたアスパラにゆで卵を添えること。地元の有名なレストランなどでは、注文すると、まず最初に熱々の茹でたてゆで卵が殻ごと運ばれてくる。これを各自で殻をむき、皿の上でナイフとフォークを使って細かくする。そこに塩、胡椒、オイル、好みでアチェートを加えて自分でソースを準備する。
そうこうしているうちに茹でたてのアスパラがその皿の上にごそっと盛られるので、予め準備したソースをつけていただく…というのが正当派。「白アスパラのバッサーノ風」というメニューはこれにあたる。
春の非常に短い時期に楽しむ旬の賜物。季節となると生産各地では、土地の人々がこの産物の収穫の喜びを分かち合うサグラ(収穫祭)が開催されている。
産地は、ヴィチェンツァ県バッサーノ・デル・グラッパを中心とした15自治体が該当する。地区が限定されるのは、勿論のこと、産地呼称であるD.O.P. (Denominazione Origine Protetta) に認定されているから。その生産地区は、ドロミーテ山麓を背した地区。この自然環境のもと、山から吹き降ろす風、空気の流れがよく、寒暖の差が激しいこと、また、ここ一帯を縦断するブレンタ川の流れがもたらす、砂や小さな石などを基盤にした土壌が上質のアスパラ栽培には非常に適しているといわれている。
自然の恵みがもたらす産物とはいえ、そこに人の手がかかることにより、その生産物がひとつのブランドとして確立する。
アスパラは畑に苗を植えることにより、その先10年は生産を続ける。商品として出荷されるのは、3年以降の苗とされ、寒く長い冬が終わるころ、土表に出ている伸びた茎を一斉に刈る。そして、苗の脇を列をつくるように苗上部に土を盛り、畝を形成する。その上に黒いビニールを被せて春を待つ。
季節が以降し、気温があがってくると、アスパラは土の中でその温度を感知し、上方に向けて伸びてくる。アスパラがスクスクと真っ直ぐに伸びるためには、硬い泥状の土よりも、軽い土壌のほうが健やかに育ちやすい、というのが、同地区の土壌に適している所以でもある。
また、黒いビニールを被せる目的は、日光を遮断するため、雨から穂先を守るため、そして保温が目的である。バッサーノのアスパラはDOPとして認証されるものは白のみ。アスパラは土表に出る際に日光をあてることにより、着色してしまうため、とにかく光を遮断することが非常に大切な要因だ。
毎年の気候にもよるが、3月に入るとアスパラの収穫が始まる。朝のできるだけ早い時間、つまりは前述のように、光にあてないことを目的とし、朝日が昇りきる頃には作業は終えていなければならないので、必然的に早朝から収穫がスタートする。
まずは、被せてある黒いビニールシートをはずし、土表にちょこっと顔を出している穂先を見つけては、その地中深くに専用の鉄製のコテを斜めから入れて掘り起こす。そして次に出てくるアスパラのために、専用の木製のヘラのようなもので土の表面を綺麗に戻す。
ひとつの列を端から順番に歩いて収穫タイミングのよいものを掘り起こし終えたら、ビニールシートを再度被せ、次の畝へ…非常に単純ではあるが、この作業が5月いっぱいくらいまで毎朝続く。
ちなみにバッサーノ産白アスパラDOPにて指定される収穫時期は3月18日のサン・ジュセッペから6月13日のサンタントニオの日まで。ただし、近年は気候の変化もあり,収穫はほぼ5月で終えてしまうらしい。
収穫したものは、作業場に運ばれて水で洗い、太さを合わせて束にする。通常、形態としては1㎏の束をつくるため、それ専用の束をつくる道具が存在する。
輪の中にアスパラを綺麗に並べ、それを柳の若枝で結ぶ。長さを揃えて切り、これで完成。長さや太さ、束の大きさや形、全てに対してここならではの決まりがあり、それに従って各生産農家にて出荷作業が行われる。
その日に収穫したものは、作業場で束を完成したらすぐに最寄りの集積所に持ち込まれる。
ここでは、形や色、長さや重量、そして見た目をコントロール。これに合格したものは、ここで初めて、バッサーノ産白アスパラDOPとして認められ、おなじみのタグをつけられる。タグには、生産者の名前を入れてあるので、各束すべてが誰が生産したものかが判断できるようになっている。
そしてここからイタリア国内および国外へ出荷されることとなる。
DOPとして認めらる条件としては、
-とにかく美しい白色であること
-真っ直ぐに伸びていること
-長さ18-22cmであること
-直径最低11mmであること
-全体が丸く美しいカーブを帯びていること
-密がしっかりとしていること
-柔らかく、筋ばっていないこと
-新鮮でアスパラならではの香りを保っていること
-1束は約1.5kgの重量であること
-形が均等であること
-束は柳の若枝でしばってあること
-生産者は組合に登録してあり、生産基準に従った生産がなされていること
等となっている。
バッサーノ産の食べ方として有名なのは、茹でたアスパラにゆで卵を添えること。地元の有名なレストランなどでは、注文すると、まず最初に熱々の茹でたてゆで卵が殻ごと運ばれてくる。これを各自で殻をむき、皿の上でナイフとフォークを使って細かくする。そこに塩、胡椒、オイル、好みでアチェートを加えて自分でソースを準備する。
そうこうしているうちに茹でたてのアスパラがその皿の上にごそっと盛られるので、予め準備したソースをつけていただく…というのが正当派。「白アスパラのバッサーノ風」というメニューはこれにあたる。
春の非常に短い時期に楽しむ旬の賜物。季節となると生産各地では、土地の人々がこの産物の収穫の喜びを分かち合うサグラ(収穫祭)が開催されている。