キァンティとキァンティ・クラッシコ!
こんにちは!
シエナの鈴木です。
今回は、前回記事の【アンテプリマ】の続きで、キァンティ・クラッシコのワインのアンテプリマについてご案内したいと思います。
キァンティ・クラッシコのアンテプリマ『キァンティ・クラッシコ・コレクション』の会場となったフィレンツェのスタツィオーネ・レオポルダです。
このイベントは毎年2月に催され、世界中のジャーナリストや地元イタリアの飲食従事者が参加し、キァンティ・クラッシコワインをテイスティングします。
今年のワインリストは、アンナータ(ベースのタイプ)、リゼルヴァ、グランセレツィオーネの3タイプから、延べ436種類のキァンティクラッシコとなりました。
サービスするのは地元トスカーナのソムリエたちです。イタリアのソムリエ機関の中でも最も重要なアソシエーションの一つであるAIS(Associazione Italiana Sommelier)のフィレンツェ支部、シエナ支部、アレッツォ支部、プラート支部などからこのイベントのために招集されます。
ソムリエは担当のテーブルを持ち、ジャーナリストたちのテイスティング希望のワインをサーブしていきます。
参加された日本人のジャーナリストの中にはイタリアワインのバイブル本『基本イタリアワイン』の著者である林茂さんもいらっしゃいました。
この度2月に改訂版が装いも新たに出版され、さらにイタリアワインと日本食の相性も実践した項目を加筆するなど大きくページ数が増えました。プロとして飲食で働かれている方や複雑なイタリアワインの枠組みを理解したい方にはとても参考になる本です。
また今回のキァンティ・クラッシコ・コレクション2018では、テレビや雑誌でも活躍中のジャーナリスト宮嶋勲さんがキァンティ・クラッシコを世界へ発信し、その発展に尽力したジャーナリストの一人として表彰を受けました。
おめでとうございます!
さて、ところかわり生産者たちが所狭しと並ぶテイスティングのフロア。
185社のワイナリーの参加となりました。
キァンティクラッシコのワイナリーは350社ほどですので、そのうちの約半数が参加していることになります。それにしても、ものすごい数の出展者数ですね!
ここで、わかりにくい『キァンティ』と『キァンティ・クラッシコ』ワインの違いを少しお勉強しましょう。
上の図はトスカーナ州の地図になりますが、
グレーの色が銘柄『キァンティ』の生産できるエリアです。とにかく広いですね。トスカーナ州10県のうち6県にまたがり生産が認められています。一つの銘柄(DOC・DOCG)ワインとしてはイタリアにおいて異例の生産エリアの大きさです。
そして赤色のエリアが『キァンティ・クラッシコ』を生産できるエリア。シエナとフィレンツェの間の丘陵地です。
キァンティ・クラッシコのエリアというのは、もともとキァンティが発祥したクラシカルなエリアということで、生産者たちはまさにキァンティの歴史を伝承する重要な地区でワインを生産していることになります。
シエナ県には、その名も『キァンティ』と名の付いた発祥の村があります。(カステッリーナ・イン・キァンティ、ラッダ・イン・キァンティ、ガイオーレ・イン・キァンティ)
シンプルに考えれば、当時のキァンティは大変人気で需要があり、オリジナルのエリアだけでは生産量が足りず、生産できるエリアが拡大していったということでしょう。
ということで、本家本元のキァンティ、『キァンティ・クラッシコ』のワインというのは、当然保護されるべきワインとなり、独自のブランドを確立するにいたったのです。
味わいやクオリティーの部分で両者を比較すると、
キァンティというワインは、法律では最低でも70%以上サンジョヴェーゼ種、場合により白ブドウも混醸することが許可されています。
※もともと当時のキァンティのレシピは白ブドウも加えたもの。飲み心地の軽やかさにつながる
一方、キァンティ・クラッシコのワインというのは、最低でも80%以上がサンジョヴェーゼであり、白ブドウを混醸することが禁止されています。
それは世界のいわゆる『クオリティーワイン』という認識において、
ある程度のストラクチャー(構成力・強さ・凝縮感)が求められていて、年数を重ねてバランスを整えていけるようなワインが理想とされるからです。
よって白ブドウを加えて、強さ、刺激を和らげるということはせず、熟成によって仕上げていくという生産者の意識があります。
それでは、一部ではありますが生産者の顔ぶれを少しご覧いただきましょう!
Forza Chianti Classico!
それでは、また次回もお楽しみに!
鈴木暢彦
ホームページ 『トッカ・ア・シエナ』https://www.toccaasiena.com
シエナの鈴木です。
今回は、前回記事の【アンテプリマ】の続きで、キァンティ・クラッシコのワインのアンテプリマについてご案内したいと思います。
キァンティ・クラッシコのアンテプリマ『キァンティ・クラッシコ・コレクション』の会場となったフィレンツェのスタツィオーネ・レオポルダです。
このイベントは毎年2月に催され、世界中のジャーナリストや地元イタリアの飲食従事者が参加し、キァンティ・クラッシコワインをテイスティングします。
今年のワインリストは、アンナータ(ベースのタイプ)、リゼルヴァ、グランセレツィオーネの3タイプから、延べ436種類のキァンティクラッシコとなりました。
サービスするのは地元トスカーナのソムリエたちです。イタリアのソムリエ機関の中でも最も重要なアソシエーションの一つであるAIS(Associazione Italiana Sommelier)のフィレンツェ支部、シエナ支部、アレッツォ支部、プラート支部などからこのイベントのために招集されます。
ソムリエは担当のテーブルを持ち、ジャーナリストたちのテイスティング希望のワインをサーブしていきます。
参加された日本人のジャーナリストの中にはイタリアワインのバイブル本『基本イタリアワイン』の著者である林茂さんもいらっしゃいました。
この度2月に改訂版が装いも新たに出版され、さらにイタリアワインと日本食の相性も実践した項目を加筆するなど大きくページ数が増えました。プロとして飲食で働かれている方や複雑なイタリアワインの枠組みを理解したい方にはとても参考になる本です。
また今回のキァンティ・クラッシコ・コレクション2018では、テレビや雑誌でも活躍中のジャーナリスト宮嶋勲さんがキァンティ・クラッシコを世界へ発信し、その発展に尽力したジャーナリストの一人として表彰を受けました。
おめでとうございます!
さて、ところかわり生産者たちが所狭しと並ぶテイスティングのフロア。
185社のワイナリーの参加となりました。
キァンティクラッシコのワイナリーは350社ほどですので、そのうちの約半数が参加していることになります。それにしても、ものすごい数の出展者数ですね!
ここで、わかりにくい『キァンティ』と『キァンティ・クラッシコ』ワインの違いを少しお勉強しましょう。
上の図はトスカーナ州の地図になりますが、
グレーの色が銘柄『キァンティ』の生産できるエリアです。とにかく広いですね。トスカーナ州10県のうち6県にまたがり生産が認められています。一つの銘柄(DOC・DOCG)ワインとしてはイタリアにおいて異例の生産エリアの大きさです。
そして赤色のエリアが『キァンティ・クラッシコ』を生産できるエリア。シエナとフィレンツェの間の丘陵地です。
キァンティ・クラッシコのエリアというのは、もともとキァンティが発祥したクラシカルなエリアということで、生産者たちはまさにキァンティの歴史を伝承する重要な地区でワインを生産していることになります。
シエナ県には、その名も『キァンティ』と名の付いた発祥の村があります。(カステッリーナ・イン・キァンティ、ラッダ・イン・キァンティ、ガイオーレ・イン・キァンティ)
シンプルに考えれば、当時のキァンティは大変人気で需要があり、オリジナルのエリアだけでは生産量が足りず、生産できるエリアが拡大していったということでしょう。
ということで、本家本元のキァンティ、『キァンティ・クラッシコ』のワインというのは、当然保護されるべきワインとなり、独自のブランドを確立するにいたったのです。
味わいやクオリティーの部分で両者を比較すると、
キァンティというワインは、法律では最低でも70%以上サンジョヴェーゼ種、場合により白ブドウも混醸することが許可されています。
※もともと当時のキァンティのレシピは白ブドウも加えたもの。飲み心地の軽やかさにつながる
一方、キァンティ・クラッシコのワインというのは、最低でも80%以上がサンジョヴェーゼであり、白ブドウを混醸することが禁止されています。
それは世界のいわゆる『クオリティーワイン』という認識において、
ある程度のストラクチャー(構成力・強さ・凝縮感)が求められていて、年数を重ねてバランスを整えていけるようなワインが理想とされるからです。
よって白ブドウを加えて、強さ、刺激を和らげるということはせず、熟成によって仕上げていくという生産者の意識があります。
それでは、一部ではありますが生産者の顔ぶれを少しご覧いただきましょう!
Forza Chianti Classico!
それでは、また次回もお楽しみに!
鈴木暢彦
ホームページ 『トッカ・ア・シエナ』https://www.toccaasiena.com