冬の手仕事:オリーヴの篭
二月の終わりこの冬最初で最後(であって欲しい)の大雪でプーリアも最南端まで真っ白になりました。3月8日のFesta delle donne(国際女性デー)を待たずに咲きだしたミモザの花も雪の覆われて震えています。
地中海性気候の南イタリアでは夏は30度越えの気温が続いても湿度が低く過ごしやすいのですが、冬はどちらかというと雨季でシトシト、ジメジメ、シンシンと寒さが身にしみます。
そんな時期は暖炉の近くで手仕事をするのが伝統的な農民暮らし。女性は編み物や刺繍など、男性は乾燥して硬く紫色になった空豆の外皮をナイフ剥くとか、オリーヴの枝と葦の茎などで篭を編むとか。
伝統的にキノコ狩りや野草摘みなどにも使われてきたこのような篭は地元チステルニーノ方言でパナリエッドゥ(イタリア語Paniere→Panariedd)と呼ばれプーリアのみならず南イタリア各地でよく目にするものでした。オリーヴの細い枝の優しいグレー色がなんとも言えない素朴な美しさ。
最近でも時折朝市や農具などを扱う店で見かける事があります。しかしこのような篭を作る技を持っている人が高齢化し、若い人に伝承する機会もなかなかないので消滅してしまうのは風前のともし火状態かと思います。これはオリーヴの篭作りに限らず全ての手仕事についても同様でしょう。
特別な職人技よりも、1、2世代前までは誰にでも身に付いていた生活の知恵や習慣、この土地で生きて行くために必要に迫られて得た技術こそ大事に次の世代に受け継いで欲しいと強く思います。
娘が通う中学校にこのような伝統技術を教える授業を取り入れて欲しいと要望しようと考えていた矢先、ちょうどこのオリーヴの篭作りのワークショップが開かれている事を知りました。
イタリア全国規模のボランティア団体の地元支部にて、それも無料で!
早速様子を見に行ってみると、参加者は40代から60代の男性ばかり8名ほど。そこに指導役の方が2−3名。週1回2時間合計16回の講習はそれぞれハンズオンで自分の作品を作り上げるとのこと。男性でもおしゃべり好きな人が多いイタリア人なので和気藹々に賑やかにやっているものかと思いきや、皆さん真剣に黙々と手を動かしていました。
義父は篭作りも上手でとても優しい人だったので、やれ洗濯物を入れる大きなサイズのものが欲しいだの、プレゼント用に手作りオリーヴオイル石鹸を入れるために小さなサイズのものを作ってくれだの、好き勝手に思いつくままお願いをしたものでした。その度に「そんなのは作ったこと無いからな〜」と言いながら何度も作り直して最後には私が思い描いた以上のものを作ってくれました。今更のようにもっと長生きして欲しかったなぁ、もっといろんなことを教えて欲しかったなぁと思います。
篭を編むだけではなく、材料となるオリーヴの枝や葦の茎の選定、採取、加工など一人前に作れるようになるには学ぶことがたくさん。普段からオリーヴの木に囲まれて生活をしてはいますが、篭作りが出来ればオイルを味わうだけではなくオリーヴをもっとみじかに感じられるようになるに違いない。プーリアの暮らしがもっと心と体に染み込んでくるに違いない。
正直言って、漠然とオリーヴの篭作りについてもっと知りたいと思っていたものの自分が篭を作れるようになりたいと思っていた訳ではないのですが、このチャンスを逃す手はないのか?!
義父の七回忌を迎えた2月のこの出会いも彼の導きかも知れないとも思いつつ、
私もお仲間に入れて貰い篭作りにチャレンジしようか?!。。。実はまだ迷っています。。。。
地中海性気候の南イタリアでは夏は30度越えの気温が続いても湿度が低く過ごしやすいのですが、冬はどちらかというと雨季でシトシト、ジメジメ、シンシンと寒さが身にしみます。
そんな時期は暖炉の近くで手仕事をするのが伝統的な農民暮らし。女性は編み物や刺繍など、男性は乾燥して硬く紫色になった空豆の外皮をナイフ剥くとか、オリーヴの枝と葦の茎などで篭を編むとか。
伝統的にキノコ狩りや野草摘みなどにも使われてきたこのような篭は地元チステルニーノ方言でパナリエッドゥ(イタリア語Paniere→Panariedd)と呼ばれプーリアのみならず南イタリア各地でよく目にするものでした。オリーヴの細い枝の優しいグレー色がなんとも言えない素朴な美しさ。
最近でも時折朝市や農具などを扱う店で見かける事があります。しかしこのような篭を作る技を持っている人が高齢化し、若い人に伝承する機会もなかなかないので消滅してしまうのは風前のともし火状態かと思います。これはオリーヴの篭作りに限らず全ての手仕事についても同様でしょう。
特別な職人技よりも、1、2世代前までは誰にでも身に付いていた生活の知恵や習慣、この土地で生きて行くために必要に迫られて得た技術こそ大事に次の世代に受け継いで欲しいと強く思います。
娘が通う中学校にこのような伝統技術を教える授業を取り入れて欲しいと要望しようと考えていた矢先、ちょうどこのオリーヴの篭作りのワークショップが開かれている事を知りました。
イタリア全国規模のボランティア団体の地元支部にて、それも無料で!
早速様子を見に行ってみると、参加者は40代から60代の男性ばかり8名ほど。そこに指導役の方が2−3名。週1回2時間合計16回の講習はそれぞれハンズオンで自分の作品を作り上げるとのこと。男性でもおしゃべり好きな人が多いイタリア人なので和気藹々に賑やかにやっているものかと思いきや、皆さん真剣に黙々と手を動かしていました。
義父は篭作りも上手でとても優しい人だったので、やれ洗濯物を入れる大きなサイズのものが欲しいだの、プレゼント用に手作りオリーヴオイル石鹸を入れるために小さなサイズのものを作ってくれだの、好き勝手に思いつくままお願いをしたものでした。その度に「そんなのは作ったこと無いからな〜」と言いながら何度も作り直して最後には私が思い描いた以上のものを作ってくれました。今更のようにもっと長生きして欲しかったなぁ、もっといろんなことを教えて欲しかったなぁと思います。
篭を編むだけではなく、材料となるオリーヴの枝や葦の茎の選定、採取、加工など一人前に作れるようになるには学ぶことがたくさん。普段からオリーヴの木に囲まれて生活をしてはいますが、篭作りが出来ればオイルを味わうだけではなくオリーヴをもっとみじかに感じられるようになるに違いない。プーリアの暮らしがもっと心と体に染み込んでくるに違いない。
正直言って、漠然とオリーヴの篭作りについてもっと知りたいと思っていたものの自分が篭を作れるようになりたいと思っていた訳ではないのですが、このチャンスを逃す手はないのか?!
義父の七回忌を迎えた2月のこの出会いも彼の導きかも知れないとも思いつつ、
私もお仲間に入れて貰い篭作りにチャレンジしようか?!。。。実はまだ迷っています。。。。