8つの村の8つの不思議なカーニバル
今となれば、陸の孤島だった歴史が幸いして、バジリカータには「カトリックの祭事と完全に同化した、不思議な原始の祭り」(C.レヴィ 1974)が数多あります。
『キリストはエボリに止りぬ』で1935年のアリアーノ村(マテーラ県)の農民を描いたレヴィが、愛情を込めてそう表現したのは、1974年、友人に連れられてトリカリコ村(マテーラ県)のカーニバルに出かけた折でした。
近年、トリカリコを含めた8村に伝わる8つのカーニバルの仮面の民俗学的価値が、クローズアップされています。
先月の末、マテーラのテレビ局の特集番組で、8つの仮面が一堂に会すると聞きつけ、いそいそと出かけてきました。
8つの中からぐっときた仮面を、わたくしセレクションでご紹介します。
ぱっと目を引くカーニバルらしい仮面も、まずはヤギなのであり、頭頂部の飾りはオンドリの羽、体に巻き付けたベルト類は、もともとは馬の毛や、荷を引くラバに着けた(騾)馬具を利用していました。すべては家畜がいてこその、このいで立ちなのでした。
【サン・マウロ・フォルテ村のカンパナッチ祭】
バジリカータのカーニバルシーズンは、1月17日の聖アントニオ・アバーテの日に行われるカンパナッチ祭で、幕が上がります。
黒いマントと白いシャツの男衆が、拍子をつけてカンパナッチョ(牛の首につけるカウベル)を鳴らしながら、村を練り歩きます。
動物の守護神である聖アントニオ信仰に、牛の放牧が盛んな村ならではの豊作祈願と厄除けが結びついた土着の祭りです。
村のような小集団が連綿とつないできた土着のカーニバルはいったいに、エネルギッシュで騒々しくてひたすら楽しいのに、人の純朴さや健気さに、心を揺さぶられる類の美しさがあります。
そのあたりに「不思議」の秘密があるのかもしれません。
1月15日~21日
トリカリコのカーニバル/Tricarico(マテーラ県)
1月17日
ラヴェッロのカーニバル/Lavello(ポテンツァ県)
1月17日~2月の毎週土曜日
モンテのカーニバル/モンテスカリーソ Montescaglioso(マテーラ県)
2月4日、11日、13日
“森が歩き出す”サトリアーノのカーニバル/Satriano di Lucania(ポテンツァ県)
2月8日~11日
“ウルシュ(オルソ=熊の方言)”とテアーナのカーニバル/Teana(ポテンツァ県)
2月10日、11日
アリアーノとカーニバルの“コルヌート”/Aliano(マテーラ県)
2月11日、13日
チリリアーノの伝統のカーニバル/Cirigliano(マテーラ県)
2月11日~13日
愉しいカーニバルシーズンを!
『キリストはエボリに止りぬ』で1935年のアリアーノ村(マテーラ県)の農民を描いたレヴィが、愛情を込めてそう表現したのは、1974年、友人に連れられてトリカリコ村(マテーラ県)のカーニバルに出かけた折でした。
近年、トリカリコを含めた8村に伝わる8つのカーニバルの仮面の民俗学的価値が、クローズアップされています。
先月の末、マテーラのテレビ局の特集番組で、8つの仮面が一堂に会すると聞きつけ、いそいそと出かけてきました。
8つの村とは? 人口順にご紹介
ラヴェッロ(13,525人)
モンテスカリオーソ(9,940人)
トリカリコ(5,292人)
サトリアーノ・ディ・ルカーニア(2,345人)
サン・マウロ・フォルテ(1,505人)
アリアーノ(975 人)
テアーナ(592人)
チリリアーノ(369 人)
(Istat 2017調査)
試みに村の人口を添えてみましたが、最も小さな村に至っては369人という人々の集団が、それぞれ伝統の仮面を、脈々と受け継いできたことに驚きます。カーニバルの仮面はアイデンティティーの発露だ
マテーラでカーニバルと言えば、トリカリコ、サトリアーノ、サン・マウロの名が知られていますが、不肖、在住14年目で初めて見知った仮面もありました。8つの中からぐっときた仮面を、わたくしセレクションでご紹介します。
【サトリアーノ村の ルミータ 】ツタの枝葉で体を覆っただけの仮面 “ ルミータ ” は、貧しさを象徴してあまりありながら、131人のルミータが森となって、動き出す光景には美しいものがあります。
【アリアーノ村の コルヌート 】コルヌート(「角を生やした」の意)は、農村文化においては、邪気を追い払うとされました。
ぱっと目を引くカーニバルらしい仮面も、まずはヤギなのであり、頭頂部の飾りはオンドリの羽、体に巻き付けたベルト類は、もともとは馬の毛や、荷を引くラバに着けた(騾)馬具を利用していました。すべては家畜がいてこその、このいで立ちなのでした。
【サン・マウロ・フォルテ村のカンパナッチ祭】
バジリカータのカーニバルシーズンは、1月17日の聖アントニオ・アバーテの日に行われるカンパナッチ祭で、幕が上がります。
黒いマントと白いシャツの男衆が、拍子をつけてカンパナッチョ(牛の首につけるカウベル)を鳴らしながら、村を練り歩きます。
動物の守護神である聖アントニオ信仰に、牛の放牧が盛んな村ならではの豊作祈願と厄除けが結びついた土着の祭りです。
村のような小集団が連綿とつないできた土着のカーニバルはいったいに、エネルギッシュで騒々しくてひたすら楽しいのに、人の純朴さや健気さに、心を揺さぶられる類の美しさがあります。
そのあたりに「不思議」の秘密があるのかもしれません。
8村のカーニバル カレンダー2018
カンパナッチ/サン・マウロ・フォルテ San Mauro Forte1月15日~21日
トリカリコのカーニバル/Tricarico(マテーラ県)
1月17日
ラヴェッロのカーニバル/Lavello(ポテンツァ県)
1月17日~2月の毎週土曜日
モンテのカーニバル/モンテスカリーソ Montescaglioso(マテーラ県)
2月4日、11日、13日
“森が歩き出す”サトリアーノのカーニバル/Satriano di Lucania(ポテンツァ県)
2月8日~11日
“ウルシュ(オルソ=熊の方言)”とテアーナのカーニバル/Teana(ポテンツァ県)
2月10日、11日
アリアーノとカーニバルの“コルヌート”/Aliano(マテーラ県)
2月11日、13日
チリリアーノの伝統のカーニバル/Cirigliano(マテーラ県)
2月11日~13日
愉しいカーニバルシーズンを!