マンマのレシピ

マンマの紹介

  • アンナマリア・デッリーコ(Annamaria D’Errico)さん
  • プーリア州チステルニーノ在住
  • 得意料理:プーレディファーヴェ

お料理説明・背景

プーリア州は海岸線が800kmもあり、州都バーリをはじめ海辺の街では魚介の生食もとても好まれる。ターラントのムール貝、ガリッポリの赤エビ、サヴェレートリのウニなどが有名だ。そしてイカそうめんならぬイカのタリアテッレと言えば、生のイカを細長く切ったもののことで、レモンを絞りオリーヴオイルをかけて食べる。これはスルメイカの旬の夏がおいしい。

しかし、同じプーリア州でも我が家に一番近いチステルニーノはアドリア海から15kmほど離れた海抜400mの小高い丘の上にあり、今でこそ魚介の生食をする人は増えているが、魚介を使った料理そのものが昔ながらのレシピにはあまり多くない。

実はアンナマリアさんも生の魚介は苦手。でもこのリピエーナやフリットなどは大好きでよく作るとのこと。秋から冬が旬のセッピア(コウイカ)にリピエーナを詰めてオーブンで焼くというシンプルな料理ながら、このリピエーナのパン粉とチーズの割合やチーズの種類、卵の量、ニンニクやカッペリを入れるなどその家の味がある。アンナマリアさんのリピエーナは同量のパン粉とチーズそれにパセリという基本中の基本の味。このシンプルさと潔さはプーリア料理の真髄を感じさせるほど。味のポイントになるチーズは、地元ではシンプルにフォルマッジョと呼ばれている、牛乳で作られた粉チーズ用のハードタイプのものを使うが、ナチュラルなものであれば入手しやすいものでいい。
パン粉はイタリアで一般的に使われている粒子の細かい乾燥パン粉を使うが、硬くなった残り物のパンをチーズおろし器で削ったものでもいい。

身が厚いコウイカで作ることが多いが、スルメイカやヤリイカも使われる。 焼く時に水にスプーン1杯ほどトマトソースを加えてもいいし、水の代わりにトマトソースたっぷりで焼いて、クチーナ・ポーヴェラ流にイカ風味のトマトソースをスパゲッティやリングイネなどのパスタと一緒にプリモとして食べるという手もある。また食べやすい大きさに切ったジャガイモと一緒に焼けばコントルノも一緒にできあがる。

レポート:大橋 美奈子(Minako Ohashi)
プーリア州在住。1999年プーリアと日本の架け橋になるべく(有)ダプーリア設立。2008年子育てのため夫の故郷Valle d’Itriaへ移住。スローライフを実践しながらプーリア仲間増殖活動中。

材料

コウイカの詰め物(2人分)

・コウイカ2杯
・パン粉60g
・粉チーズ60gペコリーノまたはパルミジャーノ・レッジャーノ、グラーノなど牛乳の硬いチーズ
・パセリのみじん切り適宜
・卵2個
・塩少々
・コショウ少々
・エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル適量

作り方

下ごしらえ

  1. コウイカは内臓を取り除ききれいに洗って胴体を半分に切る。(写真a 参照)
  2. 足は細かく刻む。(写真b 参照)

作り方

  1. 細かく切った足にパセリのみじん切り、パン粉、粉チーズ、卵、塩、コショウを加えよく混ぜる。(写真c,d 参照)
  2. 半分に切ったコウイカの胴体に1を詰める。(写真e 参照)
  3. 少し高さのあるオーブン皿にまずオリーヴオイルを引き、コウイカを手前から並べ、上からさらにオリーヴオイルをかける。水をコウイカの高さ半分ぐらいまで入れる。(写真f 参照)
  4. 180度に温めたオーブンで40分ぐらい、表面がきつね色になるまで焼く。(写真g 参照)
  • a. 内臓を取り除き胴体を半分に切る
  • b. 足は細かく刻む
  • c. 細かく切った足にその他の具材を合わせる
  • d. 具材をよく混ぜる
  • e. 半分に切ったコウイカに詰める
  • f. オーブン皿に並べオイルをかける
  • g. オーブンで焼く

お料理ポイント

パン粉とチーズの量はお好みで。チーズの種類によっても味が変わってくる。