フランチャコルタに並ぶもう一つのイタリア高級スパークリング“アルタランガ”(2) Presented by モンテ物産

フランチャコルタと並び、近年イタリアで高く評価されている高級スパークリング“アルタランガ”。前号記事にてご紹介したコントラット社以外にも、アルタランガのスパークリングワインには高品質なものが多い。フォンタナフレッダ社の造る“コンテッサ・ローザ”もその一本だ。

「ピエモンテ州はバローロ、バルバレスコの生産で有名だが、スパークリングも昔から造っていたんだよ」
そう話し始めたのはフォンタナフレッダ社のチーフエノロゴのダニーロ・ドロッコさんだ。
▲チーフエノロゴのダニーロ・ドロッコ氏

「ただ歴史的に、ピエモンテは赤ワインのほうが需要が多かったからスパークリング用ブドウの生産はあまり無く、1980年代頃はスパークリング用のブドウはオルトレポ・パヴェーゼ(ピエモンテ州の東側)から購入されていたんだ。90年代の初頭に、私達フォンタナフレッダ社が中心となってピエモンテ州で育てたブドウでスパークリングワインを作るプロジェクトをスタートさせた。これがアルタランガDOCGの誕生のきっかけになっているんだよ。」

「私達が作るアルタランガDOCGのラインナップの中でも“コンテッサ・ローザ”は特別だ。アルタランガの標高500~650mの畑で作るピノネーロ80%、シャルドネ20%のスパークリングワインだね。」
ワインのことを話すときのダニーロさんの目はいつも厳しく、真剣そのものだ。

「特別である理由はいくつか存在する。まず一つ目は畑だ。私達の持っている畑はアルタランガの中でも特に土壌が特徴的で、50cmほどの粘土質土壌の層の下に20cmほどの石灰岩からなる岩の層がある。その下はまた50cmほどの粘土質土壌層、さらにその下は再び20cmの石灰岩層。粘土質土壌はブドウにしっかりとした骨格を与え、石灰岩の層があることでここに水が蓄えられブドウの木に適度な水分を供給するとともに、ミネラルが豊富に与えられる。」

「このような土壌と高い標高で育つブドウは、華やかな香りと酸・ミネラルを持つしっかりとした構成になる。ブドウを収穫したら一部を木樽の中で発酵させる。木樽発酵は複雑味をもたらすけれど、ポテンシャルのあるブドウを使わないとワインのバランスを崩すから、ブドウのクオリティの高さが求められるんだ。」
木樽発酵はどのくらいの期間行うんですか、どのくらいの割合ですか、などと聞いたら「全部は教えられないよ、内緒だ」といたずらっぽく笑われた。
▲標高の高いアルタランガの畑

「“コンテッサ・ローザ”が特別であるもう一つの理由は、門出のリキュール(メトドクラッシコ製法の最後に添加するリキュールのこと)として、フォンタナフレッダ社の1967年ヴィンテージのバローロを加えていることだ。」

「シャンパーニュの中には伝統的にコニャックを添加したりする生産者もいるだろう?それと同じことだ。フォンタナフレッダ社は150年間バローロを造り続けている伝統があるからね。1967年のバローロを加えることの出来るアルタランガの生産者は他にいないし、本当に特別なことだよ。」

確かに、色を見るとほのかにピンク色がかっている。バローロが与えた色合いだ。
「現行ヴィンテージのバローロと違い、1967年のバローロはタンニンがとても柔らかくなっているので、アルタランガに良く合うんだ。味わいにも香りにも、バローロからもたらされる複雑味がでてくる。他にはない特別なスパークリングワインだよ。」

▲ピュピトルが並ぶカンティーナの風景

アルタランガはイタリア国内でもますます注目度が高まっている。特にアルタランガの生産者達の強いこだわりは、これまでの高級スパークリングの勢力図を書き換えつつある。今まさに現在進行形で進化するアルタランガのスパークリングワインを、是非一度試してみていただきたい。きっと新たなイタリアワインの魅力に気付いていただけることだろう。
▲左から『エクストラ・ブリュット』、『コンテッサ・ローザ』、『ガティネーラ』


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