お料理説明・背景
パルマの夏は暑い。ここ数年の世界的温暖化でますます気温が上がり、最高気温が35度を上回る日も多々ある。
バターやパルミジャーノ・レッジャーノをたっぷり使ったパルマ料理も、この時期収穫されるズッキーニ、トマト、ナスという野菜に取って代わる。
今回紹介する2つのお料理は、温かくても、冷めても、冷たくしてもおいしいオーブン焼き。作り置きしておけば、忙しいマンマのお助けメニューとなる。
それに名産のprosciutto di parma(プロシュット・ディ・パルマ)とポー川沿いで収穫されるメロンでprosciutto e melone(プロシュット・エ・メローネ)、そしてパスタがあれば立派な食事となる。この時期、プロシュット・エ・メローネは、日本のそうめん感覚で、夏の食事には欠かせない。
先日亡くなったばかりのマリアンジェラさんのお母様は、この柔らかい優しい味のズッキーニの詰め物なら食べられると、よく召し上がっていたらしい。
マリアンジェラさんのお宅は畑の中の大きな一軒家。隣はサラミを作っている会社、そしてパルミジャーノ・レッジャーノを作っている工場があったりする。敷地の一部にある干し草置場はパルミジャーノ・レッジャーノ用の乳牛の餌で、その家賃をチーズでもらっているという。
1年に1回、豚を潰してサラミやハムを作り、納屋で熟成している。これはパルマ近郊では昔から続いている習慣だが、最近ではそれをする家族は少なくなっている。
ご主人は今や年金生活だが、昔の顧客や、隣人、狩りに出かける友人が頻繁に集まり、料理上手の彼女のお料理に舌鼓を打つ。
レポート:西村明美(Akemi Nishimura)
1996年よりパルマ在住。イタリアの食に魅せられ、ワイン、ハム、チーズ等のイタリア食材を勉強中。地元で築いた人脈を生かし、一般の方からメディア向けまで、お料理教室、工場見学等のコーディネートをしている。 AISソムリエ。APRパルミジャーノ・レッジャーノチーズテイスター。ONAFチーズ鑑定士。イタリアジャーナリスト協会会員。 http://akemi-nishimura.wix.com/sapore-italiano
1996年よりパルマ在住。イタリアの食に魅せられ、ワイン、ハム、チーズ等のイタリア食材を勉強中。地元で築いた人脈を生かし、一般の方からメディア向けまで、お料理教室、工場見学等のコーディネートをしている。 AISソムリエ。APRパルミジャーノ・レッジャーノチーズテイスター。ONAFチーズ鑑定士。イタリアジャーナリスト協会会員。 http://akemi-nishimura.wix.com/sapore-italiano
作り方
- トマトの詰め物用のお米を、固めに13~14分程ゆでてざるに取り、水を切っておく。
- アマレット入りズッキーニの詰め物を作る。(下記参照)
- お米の詰め物をしたトマトのオーブン焼きを作る。(下記参照)
アマレット入りズッキーニの詰め物を作る
- ズッキーニの皮をピーラーで剥き、縦半分に切る。(写真a 参照)
- 沸騰したお湯に塩少々を加え、5分程ゆでて取り出し、布巾の上に乗せて乾かす。(写真b 参照)
- パン粉にズッキーニをゆでた汁をお玉に2杯程加える。
- ゆでたズッキーニの中をくり抜き、くり抜いた部分をバーミキサーでクリーム状にする。(写真c,d 参照)
- アマレッティを肉叩きなどで潰して(ミキサーで細かくしても良い)パン粉に加える。そこにクリーム状になったズッキーニの中身、卵、パルミジャーノ・レッジャーノを加えてよく混ぜ、塩で味を整えて詰め物を仕上げる。(写真e,f 参照)
- ズッキーニに5の詰め物を詰める。(写真g 参照)
- オーブン皿に乗せて180度に温めたオーブンで20分焼く。
お米の詰め物をしたトマトのオーブン焼きを作る
- トマトのヘタの部分を切って、中身をくり抜き、タネの部分を大さじ2ほど取っておく。ヘタの部分は蓋になるのでそのまま取っておく。
- スカモルツァチーズを小さなサイコロ状に切る。
- 固めにゆでた米に、スカモルツァチーズ、オリーヴ、缶詰から出して油を切ったツナ、パン粉少々、トマトの中身のタネの部分、お好みでオレガノ少々を加えてライスサラダをつくる。(写真h 参照)
- くり抜いたトマトの底にアンチョビを1尾ずつ入れ、オリーヴオイルを少々加える。(写真i,j 参照)
- 4にライスサラダを詰める。(写真k 参照)
- トマトのヘタの部分を蓋にして、耐熱皿に乗せ、パン粉少々、オリーヴオイル少々をかけ、180度のオーブンで 20分焼く。(写真 l 参照)