マンマの紹介
- マリア カルメッラ メレウ(Maria Carmela Mereu)さん
- サルデーニャ州カリアリ県アッセミーニ市在住
- 得意料理:アッセミーニの郷土料理"サ パナーダ" 料理が大好きで常に何か作っては人に振る舞う明るいマンマ。 得意料理はアッセミーニの郷土料理"サ パナーダ" お祭りやイベントのときには必ず呼び出されては腕を振るっている。
お料理説明・背景
人口より羊の数の方が多いと言われるサルデーニャなので肉料理と言えばまずは羊肉。
その中でもサルデーニャの仔羊はI.G.P(保護指定地域表示)として認定されているほどで、品質保証されている。その仔羊が生まれるのがパスクア(復活祭)の頃なので、このお料理はパスクアのときによく作られるマンマの味。
実は私は羊肉が苦手。それを知っているカルメッラが「羊じゃないよ」と言って出してくれたお料理がこれだったのだが、レモンの香りに騙された(笑)のか、「おいしい」と言って食べてしまった!あとから大笑いしながら実は......とバラされて、驚いた私。羊に比べると仔羊はクセも少なく、食べやすい、というのもあるけれど、レモンによってより食べやすくなっていたのだろう。最近は日本でも比較的手に入りやすくなった仔羊、でも鶏肉でも美味しいので、ぜひ作ってみてほしい一品(卵を入れるので親子煮になっちゃう? 笑)。
今回せっかくなので、サルデーニャの伝統的なテラコッタ製陶器「Scivedda(シヴェッダ)」を使って調理してもらうことに。テラコッタのお鍋は青銅や鉄の鍋よりも古く古代最初の鍋と言われており、昔から調理に多用されてきたよう。熱を均一にゆっくり伝える特徴があるため、煮込み料理などによく使われています。サルデーニャの雰囲気を味わっていただくにはオススメのアイテムだ。
さて、作り方に戻るが、気をつけていただきたいのは卵の火入れ。クリーミーなソースに仕上げるために卵をいれるのだが、火が入りすぎるとクリーム状にならず、炒り卵状になってしまうので要注意!手早くかき混ぜてトロッとしたクリーム状にするのがコツ。なので冷めたら温めて......というのはちょっと無理。出来立ての熱いうちにどうぞ!
レポート:藤田智子(Tomoko Fujita)
Delizie主宰。大阪でイタリア家庭料理店を経営後、’00年にイタリアに渡りピエモンテを拠点に各地のアグリツーリズモで料理修業。’03年よりサルデーニャに移住し、家庭料理や食材の探求を続ける傍ら”食”をテーマに現地の旅行、視察、料理教室などをコーディネー ト。著書に『家庭で作れるサルデーニャ料理』(河出書房新社)
Delizie主宰。大阪でイタリア家庭料理店を経営後、’00年にイタリアに渡りピエモンテを拠点に各地のアグリツーリズモで料理修業。’03年よりサルデーニャに移住し、家庭料理や食材の探求を続ける傍ら”食”をテーマに現地の旅行、視察、料理教室などをコーディネー ト。著書に『家庭で作れるサルデーニャ料理』(河出書房新社)
作り方
- 仔羊の肉は一口大、ポロネギは小口切りにする。(写真a 参照)
- 鍋にオリーヴオイルを入れてポロネギを中火で炒め、しんなりしたら肉を入れて混ぜる。(写真b,c 参照)
- 肉の表面が白くなればるまで炒めたら、蓋をして5~6分程煮る。(写真d,e 参照)
- 蓋を取ってみて水分が出たところで塩をする。(写真f 参照)
- レモンの皮を大振りに切り(黄色い部分のみ、白い部分は苦いので取り除く)、レモン汁を絞っておく。(写真g 参照)
- 4にレモンの皮と汁を足し、蓋をして弱火で50分程煮込む。(写真h,i 参照)
- 火を止めて溶き卵を入れ、手早くかき混ぜてクリーム状にする。(写真j,k,l 参照)
- お皿に盛り付けてすぐにサービスする。(写真m 参照)