
マンマの紹介

- マリアンジェラ・ノダーリ(Mariangela Nodari)さん
- ロンバルディア州カスティリオーネ・デッレ・スティヴィエレ在住
- 得意料理:トルテッリ ディ ズッカ(南瓜の詰め物パスタ)
お料理説明・背景

北イタリアのポー川では、中世からを利用して水稲栽培が始まり、今でもポー川の近郊「パダーノ平野」一帯ではお米の生産が盛んだ。ポー川下流から程近いここ、ロンバルディア州マントヴァ地域もイタリアでは有数の米産地の一つである。
そんな米産地に住んでいることもあってか、北イタリア人(マントヴァ人)は主食としてよく「お米」を食べる!私がイタリアに来る前は、イタリアと言えば断然「パスタ」のイメージが強かったこともあり、最初はそのお米の消費量に驚いたものだ。
さて、今日ご紹介するリゾ・アッラ・ピロータ(ピロータ風リゾ)は、別名マントヴァ風リゾとも呼ばれ、米産地マントヴァならではのお米を使ったシンプルでストレートな郷土料理。昔、精米所で働いていた作業員をマントヴァ方言で「PILOTA(ピロータ)」と呼んでいたことから名付けられたお料理なのだが、彼らが忙しい精米所の労働を中断することなく昼食を取るため、彼らの労働環境と知恵から生まれたと言われている。
イタリアの米料理の代表格「リゾット」はお米を炒め、スープを足しながら常にかき混ぜて作るという手間隙がかかるお料理なのに対し、ピロータ風は、沸騰させたお湯にお米を入れ炊き上げる、日本の米を炊く工程に似たとてもシンプルなお料理だから、彼らのような忙しい人たちにはぴったりだったのだ。
ただ、忙しい時でも常に「美味しいものを食べたい!」の根っからのイタリア人気質がここにもあったからか、ピロータ風リゾはその炊き上がったリゾと、サルシッチャ(荒挽き生ソーセージ)をバターで炒めたものにパルメザンチーズを加える、シンプルだが舌も胃袋も大満足する、作る方にも食べる方にもとっても嬉しいレシピだ。
「うちの子供達は、これを作ると必ずビス(お替り)するの!」と話しながら、今回もお料理を披露してくれたマリアンジェラ。マントヴァの家庭では、普段の日はもとよりお祭りの日にもよく登場するとってもポピュラーなお料理なのだが、忘れてはならないのが、できれば同じマントヴァ地方(またはお隣エミリア地方)の発泡性赤ワイン「ランブルスコ(Lambrusco)」と合わせてあげること!一味も二味も美味しくいただけること間違いなしですよ!
イタリアワインを学ぶため2000年に渡伊。ブレーシャ近郊の2つ星レストランでのソムリエ勤務を経て、2004年からミラノで日本人向けのワインセミナー開講。現在はソムリエとしての仕事と平行し、主に食関連の日伊企業のコーディネーター業務にも携わる日々。イタリア人夫と娘(9歳)の3人、ロンバルディア州マントヴァ近郊の田舎暮らし。ブログ『イタリアで暮らして』で日々の暮らしを綴る。
作り方
- サルシッチャの皮は包丁で縦に軽く筋を入れて剥き、中身を出しておく。(写真a 参照)
- 鍋に分量の水と塩を入れ、蓋をして沸騰させる。(写真b 参照)
- 沸騰したら米を入れ、少しかき混ぜてから蓋をし、弱火で10分炊く。(写真c 参照)
- 米が炊き上がったら、鍋と蓋の間に布巾を載せて蒸らす。(写真d 参照)
- フライパンにバター(半量)とサルシッチャを入れ、中火でサルシッチャを崩しながら炒め、コショウを少々を加え、焼き色がつくまでしっかりと炒める。(写真e,f 参照)
- 4で蒸らした米に残りのバターを加え、丁寧に下からしっかりとかき混ぜる。(写真g,h 参照)
- ボールや大皿などに5のサルシッチャ、6の米、パルミジャーノを入れ混ぜ合わせる。(写真i,j 参照)
- 個々のお皿に盛って、再度パルミジャーノを振りかける。