アブルッツォ州(保坂 優子)

異例のPasqua、そして変わらないのは・・

コロナウイルスによる厳しい外出禁止令が敷かれた中での
今年のPasqua。

アブルッツォでも伝統的な行事の多くが異例の措置を求められる事になりました。

「Processione di Venerdi’ santo di Chieti」
復活祭直前の金曜日に行われる、
聖金曜日の行進。
キエティで400年近く続く行事で、
聖職者、円錐形で目だけが出たカピロテという帽子を被った人々、
十字架から降ろされたイエス、嘆くマリアに続き、
聖歌隊、合唱隊など300人程から成る行列がキエティの町を練り歩くもの。
毎年各地から40,000人程の見学者が集まる州内でも大きな行事のひとつです。

去年の様子。

今年はこの行進は中止され、
Bruno Forte司教がたった1人でキエティのまちを祈りを捧げながら巡り、
キエティの市民たちはその様子をテレビの中継で見守りました。
長い歴史の中では世界大戦なども経てきましたが、
中止となったのは今回が初めてだったとか。



市民たちは金曜の朝、
バルコニーに出て一斉に本来演奏・歌うはずだった賛美歌ミゼレーレを合奏し、
つながりを感じ合ったといいます。

そしてもうひとつ、
復活祭の行事としてとても良く知られているのが、
復活祭当日にスルモーナで行われる
「Madonna che scappa」です。
これは、復活祭の日、悲しみにくれていたマリアが、
復活し目の前に現れたキリストに駆け寄るシーンを表現した行事。

見どころは、黒い服に身を包みうなだれるマリアが、
合図とともにキリストに駆け寄る瞬間。
衣装が黒から春色のそれに早変わりすると同時に鳩が飛び出し
喜びを表現します。
この瞬間を見届けるために、
まちのメイン広場であるガリバルディ広場は固唾を呑む人々で埋め尽くされます。

私も何年も行って見たいと思いつつ、
人混みの多さに尻込みして行けていない行事です。

こちらに関しても今年はその走り抜ける瞬間を配信された動画で見ることとなりました。


そして、復活祭の翌日もPasquetta(パスクエッタ)と呼ばれる休日。
この日はピクニックやBBQをして春の訪れを楽しむ日。

どうした訳かここ何年か、
この日はお天気が悪くなるジンクスが続いていましたが、
今年はポカポカ陽気に恵まれた様で、
外出こそ出来ませんが各家庭では、
庭先やベランダに出て、
Arrosticiniを食べて過ごしていたようです。

SNSはArrosticiniの写真でいっぱい。
その先にあるだろう笑顔を想像すると、
少し気持ちが軽くなります。
やっぱり、これがなくては・・!

 
こんな小さな子も美味しいそうに食べています。
なんとも愛くるしい生粋のアブルッツェーゼです。

来年は、またいつもの復活祭が過ごせますように。
一緒に乗り越えましょう。

Grazie, Alessio Marini, Cristina Aceto.

雄大な自然の中で育まれてきたアブルッツォ独自の文化や四季のくらしをご紹介します。
保坂 優子(Yuko Hosaka) 地域ブランディングを主とした都市計画コンサルタント。2002年、イタリアの暮らしにどっぷり浸りたいとアブルッツォ州に1年間留学。以降、大阪とアブルッツォを行き来する生活を続けている。2009年のラクイラ地震を機にアブルッツォ州紹介サイト「Abruzzo piu’」 を立ち上げる。2016年4月からはフリーペーパー「アブルッツォ通信」の共同発行者として、トークショーへの登壇や独自イベントの企画・開催、PRツールの作成、コラムの寄稿などプロモーションにも携わっている。

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    2014年よりピエモンテ州ポレンツォ食科学大学・修士課程非常勤講師(Master in Gastronomy in the World 日本の食文化:日本酒・茶道)。福島の子どもたちのイタリア保養「NPOオルト・デイ・ソーニ」代表。
    Instagram https://www.instagram.com/morimicucinetta/
    Instagram Casa Morimi https://www.instagram.com/casamorimi/
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    池田 美幸(Miyuki Ikeda)1986年よりイタリア在住。ミラノに住んでいるが、週末になるとイタリアで一番大きいステルヴィオ国立公園内にある山小屋へ逃避。日本で農学部を卒業。イタリアで手にしたチーズティスター・マエストロ、公認ワインティスターの資格を活かし、通訳、コーディネーターとして活躍中。
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    ヴェネトおよびフリウリを中心に、通訳、翻訳、地元マンマの料理レッスン及び生産者訪問コーディネイト、そして野菜を中心とする農産品の輸出業などの活動を行う。各種生産者との繋がりをとても大切に、ヴェネト州の驚くほど豊かな食文化を知ってもらうべく、ブログ『パドヴァのとっておき』では料理や季節のおいしい情報を中心に発信するなど活動中。