バジリカータ州(白旗 寛子)

バジリカータに、風が吹いた

2018年はどうやらバジリカータ州の当たり年のようです。

去年の10月以降、マテーラまたはバジリカータがランキングで1位(強弁を含む)というニュースが立て続けに飛び込んできました。年初には、ニューヨークタイムスからも吉報が舞い込んだのを潮に、つらつらご紹介します。

 

ロンリープラネット Best in Travel 2018  マテーラ7位

ご存知ロンリープラネットの2018年に旅したい都市ベスト10。国際的な視座に立てば、マテーラはぱっとしない7位ですが、2018年イタリアからのランクインはマテーラだけでした。

まあ他はとっくに出尽くしたでしょうしね。

というわけで、まことにイタリアらしく「イタリアでは1位」に視座がシフトし、地元メディアがイタリア1位と念仏のように唱え続けた結果、「ロンリープラネットで1位」と取り違いが起こった人も出てきました。

ベスト10が発表された日、マテーラではロンリープラネット関係者と世界のインフルエンサーを迎え、インターナショナルKARAOKEナイトも開催された。なんでカラオケ?


なぜここにきて、世界がマテーラに気づいたかと言いますと、マテーラが2019年の欧州文化首都に決定した、これに尽きます。

ヨーロッパで都と言えば、花の都パリ、霧の都ロンドン、永遠の都ローマに水の都ヴェネツィアですが、2019年マテーラはヨーロッパの文化の都になります。笑

「ですので、脚光を浴びる前の今、マテーラを訪れてください」とロンリープラネットは結んでいます。

2019年効果。

 

ニューヨークタイムス 52 Places to Go in 2018 バジリカータ州3位

2019年前の今だからこそを前面に押し出したのが、ニューヨークタイムスの2018年に行くべき52の場所という多すぎるランキング(2018年1月10日)。

世界が注目する前に「南イタリアの知られざる州」に行くチャンスだとしています。

日本と同程度の認知度ですね。

“バジリカータは存在します。”
(映画『Basilicata Coast to Coast』(2010) 主題歌「Basilicata is on my mind」より)

 

イタリア政府観光局ENIT「イタリアのレストラン」調査 バジリカータ州1位

こちらは、イタリア各州のレストランを利用した外国人観光客の満足度調査(2017年11月)。

1位 バジリカータ(投稿者の88%が満足と回答)
2位 トレンティーノ‐アルト・アディジェ(同87.2%)
3位 ウンブリア(87.1%)
4位 ヴァッレ・ダオスタ(86.8%)
5位 アブルッツォ(85.4%)

普段の観光ランキングとは一味違う、燻し銀の顔ぶれです。

調査方法は、Google, Yelp, Tripadvisor, The Forkに投稿された、イタリア国内のおよそ10万軒のレストラン、トラットリア、オステリアについて、外国からの観光客の200万件以上の評価と、1,400万以上のコメントを分析。

最も積極的に投稿しているのは、イギリスからの観光客で投稿者全体の42%を占める。次いでアメリカから(15%)、ドイツから(13%)。

またイタリアでの食事を最も高く評価しているのはアメリカからの観光客で、実に84.9%が満足したと回答。以下カナダ(84.7%)、フランス(84.6%)。

美味しいよ、バジリカータ。

 

ガンベロロッソ 2017年クリスマス最高のパネットーネ 同率1位

パティスリーが作る最高のパネットーネは、なんとバジリカータにありました。

2016年最高のパネットーネ30で2年連続1位に引き続き、2017年はガンベロロッソのベスト10でも、ティーリ謹製が、同率1位。

1位 モランディン Morandin(ミラノ風トラディショナル)

サン‐ヴィンセント(アオスタ県)ヴァッレ・ダオスタ州

1位 ティーリ Tiri 1957(トラディショナル)

アチェレンツァ (ポテンツァ県) バジリカータ州

2位 サル・デ・リーゾ Sal De Riso Costa d’Amalfi(ミラノ風クラシック)

トラモンティ(サレルノ県)カンパーニア州

興味深いのは、2位にもランクインのサレルノ県勢で、2017ベスト10に2軒、2016年ベスト30にはイタリア国内最多となる7軒が、サレルノ県からランクインしています。

南伊に限れば、パネットーネ県サレルノおよび宮廷文化が花開いたナポリのカンパーニア州勢の独壇場で、山賊が跋扈したバジリカータからは、たった1軒のランキング入り。
しかもお店があるのは、アチェレンツァという人口わずか2,433人ばかりの小さな村なのです。クール。

気になるお味は、ガンベロロッソ曰く:

「切り口はほんのりとした美しい黄色で、官能を刺激する柔らかく絹のようなボディには、申し分のない量の砂糖漬けフルーツの宝石が、満遍なくちりばめられ…(中略)。

しかし真価が現れるのはこの先だ。

口に入れると、肉厚のレーズン、柔らかくジューシーな砂糖漬け、ジォットー派を思わせるまろみのある味わい、美味しいバター特有の香り、香ばしさとすっきりとした新鮮な柑橘類の香り、ほんのりとバニラのニュアンス、やわらかくとろける質感…」

一個残ってないかな。

今年もイタリア好き通信をどうぞよろしくお願いたします。

ちょっと旅したくなるような、マテーラまわりのとっておきをお伝えします。

白旗 寛子(Hiroko Shirahata) 2003年渡伊、同年よりマテーラ在住。取材コーディネーター、通訳、翻訳、寄稿(伊語/日本語)を軸に、地域のよろずプロモーターでありたい。

イタリアからの旬の情報をお届け

  • 届けます、掘っても尽きないイタリアの季節の宝、朗らか人生を!
    岩崎 幹子(Motoko Iwasaki) ピエモンテの静かな山村で狼を友に夫と暮らす。郷土に根差し胸を張って生きる人たちとの縁に恵まれ、農業・経済・文化コーディネートの他、執筆活動を続ける。
  • イタ リア有数の米と南瓜の産地から旬な情報や日々の暮らしぶりをご紹介!
    高橋 正美(Masami Takahashi) イタリアワインを学ぶため2000年に渡伊。ブレーシャ近郊の2つ星レストランでのソムリエ勤務を経て、2004年からミラノで日本人向けのワイン講座を開講。現在はソムリエとしての仕事と平行し、主に食関連の日伊企業のコーディネーター業務にも携わる日々。イタリア人夫と娘(11歳)の3人、ロンバルディア州マントヴァ郊外の田舎暮らし。ブログ『イタリアで暮らして』で日々の暮らしを綴る。
  • 花の都フィレンツェからイタリアの魅力をお届けします。
    小林 真子(Mako Kobayashi) フィレンツェ在住、ライター、元静岡朝日テレビ報道記者。フィレンツェ在局FMラジオに出演中。イタリアの労働ビザを取得し起業、イタリア製アイテムのオンラインショップ「アミーカマコ」を経営。「週刊新潮」でイタリア関連記事、「宅ふぁいる便」「あがるイタリア」等でコラムを連載。イギリス留学、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校留学。海外約30ヶ国を訪れ、イタリアは20州のうち17州周遊。 ショップ:AmicaMakoオンラインショップ/ブログ:AmicaMakoイタリアンスタイルFACEBOOKInstagram
  • マルケ州から、こよなく愛するレアな食、工芸、土着文化をご紹介します!
    林 由紀子(Yukiko Hayashi) マルケ州、ウルビーノ近郊のカーイ(Cagli)在住。1999年渡伊、ファエンツァの国立美術陶芸学校の陶彫刻科を卒業後、現代美術アーティストBertozzi&Casoniのもとでアシスタントとして12年に渡ってコラボする。2003年にマルケ在住のイタリア人と結婚したのをきっかけに、マルケ州の郷土料理や工芸、美術文化に強く惹かれ、自らも陶芸家として活動する中、ウルビーノを中心とするマルケ北部や県境近郊の食文化、美術工芸文化を発信する(ラファエロの丘から)を立ち上げ、現地アテンドや料理教室、工芸体験などのオーガナイスや、ウルビーノを紹介する記事などを執筆。
  • 路地に小さな工房がひしめくナポリ……そんな職人さんの手作りをお届けします。
    祝 美也子(Miyako Iwai) カンパーニア州在住。イタリアの家庭料理に憧れ渡伊。1997年よりナポリ在住。日本での情報誌編集制作勤務経験を活かし、2005年スローフード協会公式ブック”Slow”日本版の現地取材コーディネーションを始め、様々なコーディネート、執筆を多々手がける。1995年より南イタリア情報サイトPiazzaItalia設立。ナポリにてマンマに習うナポリの家庭料理教室などを主宰。ブログ「ナポリのテラスから」で日々の生活をを綴る。
  • プーリアの農民文化が育んだ愛情溢れる手作りの温もりをお届けします。
    大橋 美奈子(Minako Ohashi) プーリア州在住。1999年プーリアと日本の架け橋になるべく(有)ダプーリア設立。2008年子育てのため夫の故郷Valle d’Itriaへ移住。スローライフを実践しながらプーリア仲間増殖活動中。
  • ちょっと旅したくなるような、マテーラまわりのとっておきをお伝えします。
    白旗 寛子(Hiroko Shirahata) 2003年渡伊、同年よりマテーラ在住。取材コーディネーター、通訳、翻訳、寄稿(伊語/日本語)を軸に、地域のよろずプロモーターでありたい。
  • カラブリア州のおススメ観光情報などを現地からお届けします。
    カラブリア州コゼンツァ市在住のコーディネーター・通訳・翻訳。スキーと食べ物を愛するAB型。一応ソムリエ。カラブリア州の毎日の生活は「カラブリア.com」にて紹介中。
  • まだまだ知られざるサルデーニャの魅力を”食“を通してご紹介します。
    藤田 智子(Fujita Tomoko) Delizie主宰。大阪でイタリア家庭料理店を経営後、’00年にイタリアに渡りピエモンテを拠点に各地のアグリツリズモで料理修業。’03年よりサルデーニャに移住し、家庭料理や食材の探求を続ける傍ら”食”をテーマに現地の旅行、視察、料理教室などをコーディネー ト。日本でも料理教室を年何回か開催。著書に"家庭で作れるサルデーニャ料理"(河出書房新社)。 
  • 美食の島シチリアより、地元民のみぞ知る美味しい情報を生中継!
    佐藤 礼子(Reiko Sato) 2005年よりイタリアの南の島、シチリア島在住。力強い大地の恵みと美しい大自然にすっかり魅せられ、ここシチリアに残ることを心に決める。現在、シチリア食文化を研究しつつ、トラーパニでシチリア料理教室を開催。また、シチリア美食の旅をコーディネートする「ラ ターボラ シチリアーナ」の代表&コーディネーターとしてトラーパニで活動中。 年に2回の東京での料理教室を始め、全国各地で料理イベントを開催、また企業とのコラボでシチリアの食文化を発信するなど、日本でも精力的に活動を行っている。 シチリアの美味しい情報はブログ「La Tavola Siciliana〜美味しい&幸せなシチリアの食卓〜」から。
  • 雄大な自然の中で育まれてきたアブルッツォ独自の文化や四季のくらしをご紹介します。
    保坂 優子(Yuko Hosaka) 地域ブランディングを主とした都市計画コンサルタント。2002年、イタリアの暮らしにどっぷり浸りたいとアブルッツォ州に1年間留学。以降、大阪とアブルッツォを行き来する生活を続けている。2009年のラクイラ地震を機にアブルッツォ州紹介サイト「Abruzzo piu’」 を立ち上げる。2016年4月からはフリーペーパー「アブルッツォ通信」の共同発行者として、トークショーへの登壇や独自イベントの企画・開催、PRツールの作成、コラムの寄稿などプロモーションにも携わっている。
  • 食の宝庫より、悠久の昔から今へ続く食と文化をバルサミコ酢にかける情熱と共にお届けします!
    堂内 あかね(Akane Douchi) 日本で企業の管理栄養士として5年間勤務後、2005年渡伊。2007年、モデナ屈指の旧家に嫁ぎ、一族に継承されていたバルサミコ酢の樽の管理を夫と共に引き継ぐ。2009年よりスピランベルト市にある「伝統的なバルサミコ酢 愛好者協会」(Consorteria dell’aceto balsamico tradizionale di Modena)に所属し、バルサミコ酢マエストロ試飲鑑定士資格を目指し、研鑽を重ねている。バルサミコ酢の醸造の傍ら、イタリア人向け日本家庭料理教室の講座を北イタリア各所に持つ。また、自宅にて醸造室の試飲見学会、バルサミコ酢を使った食事会、料理教室を主宰。バルサミコ酢醸造のエピソード、見学会などは Facebook Akane in balsamiclandにて紹介中。
  • トスカーナ州シエナ在のワインショップオーナーです!ワインやシエナの情報をお届けします!
    鈴木暢彦(Nobuhiko Suzuki) トスカーナ州シエナ在住。2009年渡伊。シエナの国立ワイン文化機関『エノテカ・イタリアーナ』のワインバー・ワインショップにて5年間ソムリエとして勤務。2015年よりシエナ中心街カンポ広場付近にイタリア人と共同でワインショップをオープン。現地ワイナリーツアーも企画し、一般からプロの方までのアテンドで100軒以上のワイナリーへ訪問。また、日本へのイタリアワイン輸出のサポート業務も行い、イタリアワインの日本マーケットの構築に貢献している。イタリアの著名醸造家ヴィットーリオ・フィオーレ氏、パオロ・カチョルニャ氏が手がけるワインも日本へ紹介。資格・・・AISソムリエプロフェッショニスタ。 シエナ観光・ワイン情報サイト『トッカ・ア・シエナ』
  • ヴェネトの美味しいとっておき情報をお届けします。
    ヴェネトおよびフリウリを中心に、通訳、翻訳、地元マンマの料理レッスン及び生産者訪問コーディネイト、そして野菜を中心とする農産品の輸出業などの活動を行う。各種生産者との繋がりをとても大切に、ヴェネト州の驚くほど豊かな食文化を知ってもらうべく、ブログ『パドヴァのとっておき』では料理や季節のおいしい情報を中心に発信するなど活動中。