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地元で偏愛されるご当地ミネラルウォーター@カラブリア州

レストランでも水を「買う」イタリアのスーパーの水売り場は御覧の通り。より取り見取りなミネラルウォーターが並んでいますが・・・イタリア各地には「ご当地ミネラルウォーター」が存在しているのはご存知ですか?

こちらシラ国立公園内の湧き水をボトリングした製品で、基本的にカラブリア州内でしか販売されていません。

南イタリアながらそれなりの積雪量の有るカラブリア州は、実は湧き水が出るスポットを何か所も抱え、私の住むコセンツァ(Cosenza)市の裏山・シラ国立公園などは湧き水の宝庫。

雪解け水が長い時間をかけて地表に出て来るシラの湧き水は、一応硬水の分類ながらも柔らかく、日本人にもなじみやすい味です。

我が家では水道水が十分美味なミネラルウォーターなのでボトルの水を購入することはほとんどありませんが・・・それでも旅行に行く際などに購入が必要になったら絶対このブランド、と決めています。

こちらは州東部カタンツァーロ県の水。商品名から「カラブリア」を名乗っている、The・カラブリア州な水でございます(笑

こちらの商品の方がシラの物より生産量が多く、他州でも見かけたことがあるように思います。それでも店舗オーナーがカラブリア人だったり、カラブリア料理の店であったりと、他州で見られるのはごく限定された場所のみ。

こちらも北部有名メーカーの水に比べてずっと口当たりが柔らかく、なにより「ご当地ミネラルウォーター」っていうあたりが郷土愛の強いカラブリア人魂をくすぐる。。。という、実に素晴らしいマーケティングを展開しております(笑

郷土愛から(?)ご当地ミネラルウォーターを愛飲している人が多いのも事実ですが、何よりも
  1. ボトリングされてからの輸送距離が短いので環境にやさしい
  2. 有名メーカーに比べて安価
  3. 採水地を知っている安心感
  4. 美味しい!(←飲みなれた味なので)
こんなあたりが、カラブリア人のご当地メーカー偏愛の理由なんじゃないかなーと思います。

おしゃれな有名ブランドの物を購入することもあるけれど、やっぱり地元の水が好きっていう地域はイタリア中にあって、ご当地ミネラルウォーターも各地に存在しています。

スーパーの水売り場で訪問地のご当地ミネラルウォーターを探してみるっていうのも面白いですよ♪

夏は村祭りの季節なカラブリア州。村祭りを訪問するなら、こんな点にご注意を

カラブリア州で夏場に特に増えるのが「村祭り」。村の守護聖人をお祭りする日だったり、北部都市部で働く人たちが帰省する時期を狙って企画されたお祭りだったり主旨はいろいろですが・・・7月中旬から8月下旬にかけての週末は、どこかしらの村で何かしらのお祭りが開催されています(笑

お祭りには小さな移動市場が付き物。スーパーすら無い小さな村では、この移動市場を楽しみに一年を過ごしている高齢者も多く、生活必需品がいっぱいの市場の様子は旅人にとっても一見の価値あり。

ところで。写真の真ん中のバケツは、これから始まるトマトソース作りに欠かせない40l~60lのバケツです。これ、街で探すの大変なんだよね・・・

基本的に、夏祭りは午前の部と午後の部に分かれています。人口の少ない小さな村だとお祭り自体は午後だけれど村がにぎわうのは午前だけで、移動市場はお昼前に撤収!なんてこともあるのでご注意を。

移動市場を見たいなら、午前中がお勧め

村の守護聖人の日をお祝いする村祭りの場合、高い確率で村中を楽団が練り歩きます。村の隅々まで演奏しながら練り歩く楽団さんはちびっ子に大人気。窓辺から応援する人もいたりして、写真に収めたくなるんですが、実は「音はするのになかなか姿が見えない」人たちだったりします。音が反響するのかな?

楽団の写真は出会った時が唯一のチャンスと思うべし

ちょっと大げさだけど、在住者でも演奏中の写真ってなかなか撮れないんですよ。覚えておいてくださいませ。

移動市場は村人にとっては社交の場。見知らぬ旅人はじろじろ見られちゃったりもしますが、悪意はないので許してあげてください。逆に、色々話しかけると大抵はみんな喜び勇んで色々教えてくれます。

きっと初めて見る道具や野菜などがあると思うので、この機会に異文化交流してみてくださいね♪

移動市場は異文化交流の最適の場。物おじせず語りかけて見てください♪

もしかするとイタリア語じゃなくて「村の方言」ばりっばりな返答かもしれないけれど、それもまた旅の醍醐味♪

と、ここで旅人にとって一番大切な注意事項が。それは

宗教行事な村祭りの日、お昼ご飯を食べられる場所は無いと思え

村祭りの日のランチは村人にとって大変重要な家族行事。家族・親族が集まってお食事をする大切な機会なので、台所を預かるマンマはヘタすると前日から大量のご飯の準備をしているのが普通。「今日は外で食べようか♪」なんてことをする人はぜーったいいないので、村中のバーやレストランは休業します。

小さな村ほどこの傾向は強いです。逆に、少し大きな村だと観光客目当ての場所は営業している模様。お昼ご飯の場所をあらかじめ調べておくか、何か持って来ていると安心ですよ。

※バーはお昼休憩だけで、午前・午後は営業します。
宗教行事にまつわる村祭りの場合、大抵夕方~日没ごろから宗教行事が始まります。

そして、宗教行事の後は夜遅くまでコンサートや花火などが開催されることが普通。

夜は露店なども出て、お食事のサービスをするところも増えるので、とりあえず晩御飯の心配はいらないかな(笑

その代り、夜間のお祭り騒ぎまで滞在する予定ならば

羽織れるものは必携 です。

カラブリア州の特に山間部は、真夏でも夜間肌寒いほどの気温になることもあります。

私は軽く羽織れるカーディガン類の他に皮のジャンバーは絶対持っていくし、場合によると軽めのスカーフも携帯します。

村の中に宿を取っていれば、一日かけてゆっくりと村祭りを楽しめます。村祭りの情報を見つけるのが難しいけれど、滞在中に「村祭りがあるよ」なんてウワサを聞いたら、ぜひ出かけてみてください。

【リンク付き】カラブリア州までの空の便。カラブリア発着LCC各社のまとめ


カラブリア州内にはいくつか空港がありますが、旅行者にとって有名なのは以下の2か所。
  • 主要空港として機能しているラメッツィアテルメ空港(SUF)
  • レッジョカラブリア空港(REG)
どちらもナショナルフラッグ・アリタリア航空の他LCC便が多数乗り入れしています。

最近カラブリア州をご訪問の特に個人旅行の皆さんに多いのが、ミラノや北ヨーロッパ主要都市に大きな荷物を置いてLCC利用でお手軽にカラブリア州2泊3日、などという旅行プラン。

いきなり「未開の」カラブリア州に1週間滞在するよりも、ちょっと様子見ができて、お手軽感がウケているようです。

というわけで。カラブリア州ラメッツィアテルメ空港(以下SUFと記載)とレッジョカラブリア空港(以下REGと記載)に発着している&近日中にサービス開始予定のLCC各社のまとめとをお届けします! (順不同。☆をクリックで公式サイトへ飛べます)

 

1.Ryanair/ライアンエアー()/SUFに発着


ライアンエアーは泣く子も黙るLCCの老舗。SUFとイタリア各都市、ヨーロッパ各都市を直行便で繋いでいます。便数も多く、超格安なチケットも入手しやすいとあって、いつも満席の模様。

旅程が決定したらすぐにでもチケットは確保しておきたい代表格のLCCです。

到着時間厳守で有名ですが、よく「予定到着時間より大幅に早く到着」という反則技も出してきますので要注意(笑

 

2.easyjet/イージージェット()/SUFに発着


ミラノマルペンサ空港から直行でカラブリア到達できるのがeasyjet。LCCはミラノ・リナーテやさらに郊外の空港を使っていることが多いのですが、この点イージージェツトは便利です。チューリッヒからはナポリ乗り換えでカラブリアまで到達できるなど、北部ヨーロッパとのアクセスもGood。

マルペンサ発便は朝便と夜便があるので、朝便利用でカラブリア州をたっぷり楽しむか、ミラノでたっぷり遊んでから夜便利用でカラブリア入りするか選べます。フライト時間が早朝・深夜でないのも嬉しいポイント。ライ×ンさんの便は変な時間が多いですからね・・(苦笑

 

3.Blu Air/ブルーエアー()/SUFに発着


1日1便ながらもトリノ往復直行便を飛ばしているのがBlu Air。ルーマニア初、といわれるLCC会社です。

乗り継ぎ便を利用すれば、ヨーロッパ内のほぼすべての主要空港と繋がれるのが利点。しかも運賃が相当お安い♪

最大の問題点は、サイトやカスタマーサービスがまだ不十分なところ、ですかね。ヨーロッパ旅行の上級者さんが良く利用されている印象です。

 

4.Volotea/ボロテア()/SUFに発着


5月26日から週2便、ヴェローナからの直行便を飛ばしています。おしゃれに目立つ飛行機は、カラブリアでも有名になりました(笑

北部交通の主要都市であるヴェローナ直行便のSUF発着は、例えばヴェローナ拠点にヴェネツィアやボローニャ・ミラノなどを観光し、週末はカラブリア♪といった旅程を組みやすくするもの。

今後はギリシャ方面への直行便を飛ばす・・・かもらしいので、引き続き要チェックなLCCです。

 

5.Eurowings/ユーロウィングス()/SUFに発着


Meridiana(メリディアーナ)が名称変更、今後はEurowingsとしてナショナルフラッグ・アリタリアと真っ向勝負! するんだそうです。大丈夫かな(笑

SUFへはミラノマルペンサ空港とミュンヘン空港・ベルリン空港などから直行便が就航。

こちらも乗継便を利用すると、ほぼヨーロッパ全土の主要空港・地域空港と行き来できるようになります。

 

6. Blue Panorama/ブルーパノラマ()/REGに発着


レッジョカラブリア空港(REG)には、アリタリア航空の他にLCCのブルーパノラマが就航中。ミラノ(リナーテ)とローマを直行便でつないでます。

サービス面で厳しい評価をされることも多いブルーパノラマですが、REGからの便はどれも短時間航路。「安い=それなりのサービス」と割り切れる方にはご利用をお勧めします(苦笑

レッジョカラブリア空港は非常にマイナーな空港なのであまり知られていませんが、実はアリタリアがトリノから直行便を飛ばしています。特にトリノ直行便は大変便利ですよ。

 

以上、意外とヨーロッパ各地と繋がっているカラブリア州ですが、もちろんイタリア内の各州もLCC便ががっつりサービスを提供しています。EU圏内とのアクセスも良いので、イタリア在住者はローマ・ミラノの縛りがあるナショナルフラッグよりもLCCを頻繁に利用しています。

陸路移動も楽しいけれど、長距離移動は時間がもったいない際などは、早めに予約するとびっくりするほど安価なチケットが手に入るのでLCC利用もぜひご検討くださいね♪

Conosci arbëreshe? カラブリア州に住む少数民族・アルブレーシュ

カラブリア州の主に北部コセンツァ県内、自然の厳しい地域に「アルブレーシュ」と呼ばれる少数民族が住んでいます。

アルブレーシュとは、500年ほど前にオスマントルコの侵攻から逃げてきたバルカン半島出身の人たちのこと。現代にいたるまで言葉・文化・生活様式をかたくなに守り、生活してきました。

コセンツァ県内の約30のアルブレーシュの村は、殆どがイオニア海が見える&岩々な場所に位置しています。イオニア海を渡ると、そこはかつての祖国。岩が多い場所を好んだのは、祖国の様子に少しでも似ているところを探して定住したからだとか。

※アルブレーシュとは:アルバニア系イタリア人自身を指すこともあるし、彼らの話す言葉や彼らの文化について指すこともあります。

近代になって再興した本国・アルバニア共和国は、約400年に渡るオスマン帝国支配の頃の名残でイスラム教徒が多いですが、オスマン侵攻前の彼らの宗教は正教会派。

というわけで、カラブリア州内にあるアルブレーシュの村には必ずグレコ・ビザンチン様式の教会があります。グレコ・ビザンチン様式の教会は彫像が無く、宗教画(イコン)が壁面を飾っているのが大きな特徴。

さらに司祭さんが宗教行事をするのは壁の向こう側。いわゆる「秘儀」という扱いで、信者は見ることが出来ないなどのカトリックやプロテスタントとは色々違いがある正教会派なんですが・・・アルブレーシュが信仰する宗派は、ローマ法王のお墨付きをもらってカトリックの一派となっています。

こちら、大変貴重な晴れの日用の衣装で、アルブレーシュの中でも最高峰の地位付けをされている元貴族一家に伝わるもの。

通常は片栗粉やコーンスターチで刺繍部分を覆い、折り目ごとに充て布をして大切に保管し現代に伝えられたもの。粉を払って取り出すのも大変な、貴重な貴重な衣装です。

バルカン半島から逃げてきたのは、裕福な貴族と彼らに使える身分の人たち、さらに農民などだったと言われています。彼らはカラブリア州内でもかつての貴族を中心に部族社会を作り上げ、カラブリア各地にできた部族間交流などを積極的に行いつつもそれぞれの出身地域の伝統柄を守り・・現在、約500年が経過したところ。

実はアルブレーシュの間でも微妙に言葉が異なったりするんですが、それは、そもそもバルカン半島の「どこ」出身なのか、によるんだそうです。500年前のご先祖さまの出身地域が言葉にわかっちゃうんですね。

アルブレーシュの村で比較的オープンなチヴィタ(Civita)では、そんなアルブレーシュ達が集まって行うお祭りもあります。

正式には彼らの救国の英雄・スカンデルベルグ(Skanderbeg)のオスマントルコに対する戦勝記念のお祭り。チヴィタにはスカンデルベルグの直系子孫がいたこともあり、大変ゆかりがあるようで・・現在でも盛大に行われているお祭りです。

各地の民族衣装に身を包み、彼らの言葉で彼らに伝わる踊りと歌を歌いながら街中を練り歩きます。

※スカンデルベルグはオスマントルコの侵攻を一時退け、四半世紀にわたって独立を保った英雄です。彼の死後、10年ほど後にアルバニア地域は完全にオスマントルコと支配下に入りました。


お祭りの後は衣装の始末が大変らしいw

アルブレーシュの村があるのはカラブリア州コセンツァ県の北部地域に集中していて、さらにプーリア州・バシリカータ州あたりにもちらほら。

イタリア人でありながら異なる「祖国」を持つ人たち。

カラブリア州内ではチヴィタ(Civita)、ルングロ(Lungro)、ファルコナーラ・カラブレーゼ(Falconara Albanese)などが有名。アルブレーシュの村の近くになると道路標識も二か国語表示(イタリア語/アルブレーシュ)になったり、イタリアの中の異国を感じることが出来ます。

復活祭だ。大掃除だ! カラブリア州コセンツァの復活祭はクツッパとパスティエラナポレターナで

【復活祭のころ=大掃除の時期】な方程式のカラブリア州です。

カラブリア州の春は大掃除の時期。日本は大みそか前(年内)に済ませる作業ですが、カラブリア州では復活祭前後に大掃除をする家庭が多いように思います。

よって。。。スーパー内にもお掃除道具がいつもに増した量で並びます。色々ありすぎて選べない(笑


なんでこの時期に大掃除をするのか。これには諸説あるんですが・・・ヘブライ文化の影響が濃いと言われています。部屋の隅々までお掃除して、心の中もお掃除して「新しい人」に生まれ変わって春をお迎えする。日本の断捨離みたいなものでしょうか。新年度前に心機一転っていうカンジ?

カラブリア州での大掃除の風習は、暖炉で暖を取っていた時代の名残とヘブライ文化が融合したというのが有力な説。つまり、暖炉から出るススや灰で家の中が汚れてしまうので、暖炉が必要ない春になったら普通に行っていた徹底的にお掃除が宗教行事と結びついて習慣化している、という訳ですね。

復活祭はいわゆる移動祝日なのですが、カラブリア州ではちょうど暖房が必要ないぐらい暖かくなる時期なのでこの「暖炉の掃除説」はすごーく説得力がありますw

復活祭時期の大掃除については、コセンツァ市に「大掃除で冬の名残を落とし切る(落とし切って春を迎える)」という言い回しもあるぐらいです。

で、大掃除なんですが。。。

大物家具もすべて動かします(涙。

普段使わないクリスタル製品や銀食器なども磨き込み、家具内の物をすべて出して家具の後ろ側もしっかりお掃除。もちろん大物中の大物・クローゼットも動かします。

我が家には暖炉が無いので、こんなに一生懸命しなくても良いんじゃないかなーと思ったりしますが・・・大掃除をしないと春を迎えられないと思って、ここはガンバルところ。

復活祭前後はお休みになる会社も多いので、この休暇中に家族総がかりで一気に仕上げるのは、日本の年末大掃除と似ているかも。

ところで、カラブリア州の復活祭に欠かせないのが、卵を丸のまま入れ込んで焼き上げるパン菓子です。

地域によって呼び名が異なりますが、コセンツァ県内ではクツッパ(Cuzzupa)とかピッツァトラ(Pizzatola)などと呼ばれています。

飾りにしておく物なので、味よりも見た目重視ですよ(笑

形状に違いがあるものの、カラブリア州全域で作られる数少ない「カラブリア州郷土菓子」です。ちなみに、南のレッジョカラブリア県の友人によると、彼の実家のある辺りではブータ(Vuta)って呼んでいるそう。カラブリア州の方言は奥が深すぎる。。。


ちなみにカラブリア州コセンツァ県コセンツァ市で絶対に欠かせない復活祭のお菓子がパスティエラナポレターナ(Pastiera Napoletana)。大麦を牛乳で煮たもの、カスタードクリーム、リコッタクリームなどなどが入る贅沢ドルチェです。

これが無かったら復活祭を迎えられない!というコセンツァの家庭は多く、我が家でも山盛り作りました。

カラブリア州北部はナポリ王宮文化の影響を色濃く受けた場所。特にコセンツァ市はナポリ王宮に出入りしていた貴族が多く、さらにナポリアカデミー設立に携わった学者も輩出していたりしてナポリとは切っても切り離せない間柄。

今でもその名残が言葉に・食文化に残っていて、その一つがこちらのパスティエラを復活祭に食べる習慣だと言われています。パスティエラに欠かせない材料の一つ、チェードロ(シトロン)の特産地っていうのもコセンツァでパスティエラが好まれる所以かも、ですね。