アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ・ディ・モデナDOPの最高峰、アチェタイア・カゼッリ社(1) Presented by モンテ物産

日本で、バルサミコ酢が食卓でも使われるようになって久しい感がある。サラダにかけてももちろん美味しいし、煮詰めてお肉料理のソースに使ったり、フルーツやアイスクリームにかけても美味しく食べることが出来る、とても汎用性の高い調味料だ。
しかしこのブドウを主原料に作られるヴィネガー、“バルサミコ”と名のつく商品に、下は数百円のものから上は数万円のものまで存在していることを不思議に思っておられる方も多いのではなかろうか。
「バルサミコ」と呼ばれる商品は、実はその製法によって3種類に分けられる。さらにモデナ産とレッジョ・エミリア産があるから余計ややこしいのだ。

そんなバルサミコの真髄を知るべく訪問したのはモデナの南南東、12kmほどのスピランベルトの街にあるアチェタイア・カゼッリ社。

「やあ、いらっしゃい」と穏やかな口調で出迎えてくれたのはカゼッリ社現当主のシモーネ・カゼッリさん。とても物静かな人で、いかにも職人然としている。
▲シモーネ・カゼッリさん
彼は祖父の代からモデナ産のアチェート・バルサミコ(アチェートはヴィネガーの意)を作る生産者。まずは製法による3種類のバルサミコの違いを教えてもらうことにした。

「一つ目は、主要商品のモデナ産バルサミコ酢IGP(イタリア語でアチェート・バルサミコ・ディ・モデナ・アイ・ジー・ピー)。IGP(保護指定地域表示品)として細かく製法や原材料、熟成期間が定められているんだよ。熟成期間は60日以上、長期熟成タイプのインヴェッキアートは3年以上の熟成が必要なんだ。」

「二つ目は、コンディメント・バルサミコと呼ばれるもの。これには熟成期間の規定などはなく、バルサミコのような風味を持ったブドウ原料のヴィネガーですが、バルサミコ酢とは別物。正確には『モデナ産バルサミコ酢(アチェート・バルサミコ・ディ・モデナ)』と名前をつけて売ることは出来ないのさ。」

「そして三つ目は、バルサミコ酢の最高峰、DOP品(原産地名称保護品)でアチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ・ディ・モデナ・ディーオーピーが正式名称。これを生産するには最低でも12年以上の熟成が必要で、長期熟成タイプのストラヴェッキオは25年以上の熟成を義務付けられている。その熟成期間の長さからも最も貴重な商品さ。」

実はイタリア人でもこのような違いを分かっている人は少ないんだ、とシモーネさんは残念そうに言う。
▲「Botte Madre」と呼ばれる発酵用の主樽。
「この3種類バルサミコ商品の違いは熟成期間だけではないよ。例えばバルサミコ酢IGPを作る際の原材料には、ブドウジュースを煮詰めたものを80%以上使わなくてはいけない、残りはワインヴィネガーを20%まで混ぜ、これを熟成させることを許可する、と規定されている。着色料も天然のカラメルを2%までしか加えることは許されてないんだ。コンディメントにはこういった規定は設けられていないよ。」

ではコンディメントに熟成期間の規定がないから全て低価格な粗悪品か、というとそんなこともないらしい。シモーネさんは自信ありげにこう続けた。

「コンディメントの中には、ほとんど熟成していない商品もあれば、敢えて長い熟成をさせているものもあるんだ。実際に私が作っているコンディメントは7年もの長い期間熟成させたもの。原材料のブドウも、全て自社畑で丹精こめて育てたブドウだけを使っていて、他の生産者のように原材料ブドウは購入してない。原材料の規定でバルサミコ酢とは呼べないため、『トラディツィオーニ・バルサミケ』という商品名にしているんだけど、他の生産者さん達のバルサミコ酢IGP品にも負けないクオリティだと思っているよ。」
通常のバルサミコIGP品の長期熟成タイプが3年以上の熟成で生産できることを思い出していただくだけでも、彼の造るコンディメントがいかにこだわりの商品なのかがわかる。もしお店で見かけることがあれば、ぜひとも試してみていただきたい1品だ。

実を言うとこのカゼッリ社の真髄はDOP品にあるのだが、職人シモーネさんの生み出す芸術品アチェート・バルサミコ・“トラディツィオナーレ”・ディ・モデナについてのご紹介は次号に譲ろうと思う。

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