チレント特集

vol.272016/11/1カートに入れる

イタリア好きはチレントへ

おそらくまだ『イタリア好き』ビギナーだと思われる方に、イベントなどでよく聞かれることがある。
「フィレンツェはどこに行ったらいいですか?」「ヴェネツィアのおすすめありますか?」(ローマは最近聞かれることが少なくなった)そんな時はいちばん困るのだ。だってフィレンツェも前号の特集までは10年以上行っていなかったし、ヴェネツィアに関して言えば、たったの一度。2015年に2泊ヴェネツィア番長のフォトジャーナリスト篠利幸さん(本誌連載中)にリードされるがままに廻っただけだから、どちらも人に教えるような知識も経験も無い。そう答えると少しがっかりしたような顔で去って行く。「『イタリア好き』なんて名前の雑誌の編集長のくせに、フィレンツェもヴェネツィアも知らないなんて」と心の中で思われているかもしれない。

もうひとつよく聞かれるのは、「次はどこへ行くんですか?」この質問はたぶんベテラン読者(あえてそう呼ばせてもらう)だ。次の特集への期待を寄せてくれているに違いないと思うと少し嬉しい。その反面、気が小さい僕は期待に応えられるのかいつも不安になる。そう、どちらも辛いのだ。

そして今回の特集は、カンパーニア州のチレントへカルメラさんを訪ねて密着取材をすることに。ビギナー読者の方の期待には全く応えられないだろうし、ベテラン読者の方からは「またか〜」と聞こえそうだ。あえて言わせてもらえば、僕は、チレントは二度目の訪問で、ヴェネツィアよりも1回多いし、フィレンツェとはたぶん同じ回数行ったことになる。そして前回の特集とは全く違うからぜひ本誌を手に取って読んでもらい、次にどこかで会った時には「チレントの話を聞かせて下さい」と声をかけて欲しいと願うのだ。

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『イタリア好き』バックナンバー

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11/2(水)『イタリア好き』ゆる~い会開催!

イタリア新酒ワイン(Vino Novello)解禁と、『イタリア好き』最新号発行をお祝いしながら
一緒に楽しく飲みましょうという集まりです。
イタリアが好きな人、イタリアワインが好きな人、おしゃべりが好きな人、
イベントが好きな人ならどなたでも参加していただけます。
ゆる〜い気持ちでお越しください。編集長マッシモもお待ちしております。

◎●◎● 開催概要 ●◎●◎

■日程:11月2日(水)
■時間:18:30〜21:00(何時からでもご参加いただけます)
■会場:広尾イタリアンバール ピエトレ・プレツィオーゼ
   東京都港区南麻布4-2-48 TTCビル
   TEL:03-6277-1513
   http://www.pietrepreziose.jp
■会費:3,500円(ノベッロ1杯とブッフェ)
   *お料理(予定)
    ゼッポリーネ、パネッレ、アランチーニ、カポナータ、
    鶏レバーのクロスティーニ、パスタ数種etc…  
   *2杯目以降のドリンクは全てキャッシュオンで、
    好きなワイン、ドリンクをご注文ください。
   *会費のお支払いは当日受付にて承ります。

★ 参加をご希望の方は下記までメッセージをお送りください。
  https://shop.italiazuki.com/inquiry_input.php
  
  当日のドタ参加も歓迎でーす!!!
  
◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎●◎

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イタリア好き委員会

マンマの料理フェスタ2016@伊勢丹新宿店終わり

伊勢丹イタリアフェアで開催した「マンマの料理フェスタ2016@伊勢丹新宿店」が終了しました。

ご来店いただきました多くの”イタリア好き”の皆さまありがとうございます。
皆さまと一緒に楽しい時間を共有することができました。
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このイベントの出展が決まる前に伊勢丹では「わざわざ人のお母さんの料理を食べたいと思うの?」という意見もあったようです。
星付きリストランテのシェフでも、有名シェフでもないし、分からない人にはしょうがないことです。
特に無理に伊勢丹でやることを望んではいなかったですが、それでも「ぜひやりましょう!」と言っていただいたので、
やるならそれなりの見え方はしたいと希望しました。
その結果、担当の方の理解と尽力によって、ある程度のスペースと、BARもあるPIAZZAのイメージを確保することができました。

あとはどのような料理を提供して皆さんに楽しんでいただきながら、よりイタリアを感じてもらえるか、
そして少しの気づきを与えられるのかなと考えました。
ウンブリアから送られてきたメニューは、豆料理やチコリアのソテーなど地味なウンブリアらしい料理でした。
それを見て「インカント」の小池シェフとふたりでこういう料理を出してわかってもらえると嬉しいよね〜と話していました。
シチリアはトマトやナス、イワシを使った料理で、見た目にもわかりやすいし、ある程度は馴染みがあるので比較的安心していました。
そしてレシピに基づいてウンブリアは「インカント」の小池シェフ、シチリアは「ピノサリーチェ」柳シェフ、ドルチェは赤松さんが試作を始めました。
当然自分たちのレシピとは違うことへの疑問や驚きがありましたが、
マンマのレシピにできる限り忠実に(どうしても入手できない食材などは代用を考え)再現してマンマの来日を待ちました。

来日後は確認、修正もしつつそれぞれの料理となりフェアを迎えました。
開催当初は少し不安もありました。日を追う毎にお客様の入りも良くなり、反応もダイレクトに良いと感じました。
シチリア料理の反応は予想通り良く、心配していた地味なウンブリア料理もその滋味深い味に「おいしかったです」と言って帰られるお客様、
リピートされるお客様も多くいて、本当に嬉しかったです。
そしてそれは料理は商品ではないということを理解してくれているのではないかとも思ったのです。
イタリア郷土料理には、歴史や生活、知恵などさまざまなものが重なり、大切にされマンマたちは受け継いできました。
それを楽しく、おいしく感じてもらえたら嬉しいからです。

お店の営業もありながら、毎日伊勢丹にも来て料理をしてくれている、インカントとピノサリーチェの面々には心から感謝します。そしてもちろんマンマたちにも。
BARでは阿部さんが淹れるおいしいカフェだが飲めるし、さあ、皆さん伊勢丹6階「ピアッツァ イタリア好き」へお越し下さい。
お待ちしてます!
今日も元気に、前向きに!

抜群のコストパフォーマンス、注目のトスカーナ南部モンテクッコ カステッロ・コッレ・マッサーリ Presented by モンテ物産

Montecucco(モンテクッコ)DOCG、と聞いてもピンとこない方も多いかもしれないが、モンテクッコは近年注目が集まっているエリアだ。
モンテクッコDOCGは2011年に制定された比較的新しいDOCGで、サンジョヴェーゼを90%以上使用することが義務付けられている。フィレンツェから南に120kmほど下ったところに位置しており、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCGエリアの南西側に隣接している。
トスカーナと言えばキアンティ、ブルネッロ、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチァーノなど、強豪ひしめくワインの銘醸地だ。他のエリアと同じくモンテクッコでもブドウは栽培し続けていたが、Montecucco DOCですら1998年にようやくできたという、近年まで日の目を浴びてこなかったエリアだ。

▲チーフ・エノロゴ(醸造家)ルカ・マローネさん
▲チーフ・エノロゴ(醸造家)ルカ・マローネさん
今回訪れたコッレ・マッサーリ社のチーフエノロゴ(醸造家)、ルカ・マッローネさんが説明してくれた。同社は、2014年にガンベロ・ロッソ誌で最優秀ワイナリーに選ばれた、モンテクッコエリアを代表するワイナリーの一つだ。
「2000年に設立された遅咲きのモンテクッコ協会は、他のエリア、特にモンテクッコをはさんで北にあるブルネッロと南にあるモレッリーノと差別化を図ったんだ。協会が独自のテイスティングを行って、一定の品質を認めたワインに一本一本ナンバリングされた協会のロゴ入りシールを貼って、協会の“お墨付き”だとわかるようにしたんだよ。また、DOCGが制定された際に、モンテクッコDOCGの1haあたりの収量上限は7トンに定められたが、これはバローロ、バルバレスコ、ブルネッロといったDOCGの8トンよりも厳しい規定になっている。規定を甘くすると、それをいいことに規定から外れないぎりぎりのワインを安価で大量に生産して質を下げる造り手が出てくるから、全体のレベルを高い位置にキープするためには厳しいことはいいことなんだ。」

▲ポッジョ・ロンブローネ
▲ポッジョ・ロンブローネ
コッレ・マッサーリ社のトップワイン“ポッジョ・ロンブローネ”モンテクッコ・リゼルヴァDOCGは、さらに厳しい剪定と収穫時の選果を行って、1haあたり4トンの最良のブドウのみを使用している。サンジョヴェーゼを90%以上の規定ながら100%使用し、4000Lの大樽で30カ月熟成させるという、さながらブルネッロへの挑戦状のようなワインだ。

▲美しいブドウ畑。全て有機栽培
▲美しいブドウ畑。全て有機栽培
「コッレ・マッサーリ社のもう一つの特徴は、全てビオ(オーガニック)認証を取っていることだ。と言ってもただ認証を取ることが大事ということではなく、根、茎、葉、ブドウが全て最も良い状態で健康に育ち、自然とのバランスが取れる方法を追求していく過程で、ビオ認証の規定にあてはまったというだけなんだ。そして、それがこの土地のアイデンティティをより良く表現できる方法なんだよ。良いブドウができれば、あとはそれにできるだけ手を加えずにワインにすればいい。
▲(左)重力を利用してモストをタンクに移動させるエコロジカルなワイナリー設備。/(右)ティネッロと呼ばれる発酵槽。丁寧にピジャージュを行なう。
▲(左)重力を利用してモストをタンクに移動させるエコロジカルなワイナリー設備。/(右)ティネッロと呼ばれる発酵槽。丁寧にピジャージュを行なう。
“ポッジョ・ロンブローネ”ともう一つのリゼルヴァ“コッレ・マッサーリ”については、天然酵母を使用して自然発酵させる。温度管理もせずに、1000Lのオーク樽でピジャージュ(櫂入れ)をしながら3~4週間じっくりとマセラシオンをするんだ。よく「ビオ」と聞くと、独特の変わった臭いがするワイン、とネガティヴにとらえて敬遠する人がいるが、それは単に醸造過程で欠陥を持ってしまったワインもそうと知らずに飲まれてしまっているからなんだ。ワイナリーを清潔に保ち、気をつけていれば不快臭は生まれない。我々のワインを飲んで嫌な臭いを感じたことなんてないだろう?」
“ポッジョ・ロンブローネ”を飲みながらルカさんが問いかける。
全くその通りだ。樹齢50年の古木が生み出す複雑な香りの中に不快な要素など一片も無い。
リリース直後は固く閉じているので、若いビンテージはデカンタージュしたほうが楽しめるだろう。ただ、秘められたポテンシャルの高さは感じていただけるはずだ。

モンテ物産
http://www.montebussan.co.jp/
▼モンテクッコ カステッロ・コッレ・マッサーリのワインはこちら▼
http://www.montebussan.co.jp/wine/Collemassari.html