パレルモ

vol.222015年8月発行
在庫なし

リモーネ、ピノーリ、アグロドルチェ

人々は生きている。
生かされているのではない。自分の力で生きているのだ。
大きな声でパレルモ弁が飛び交う中、ひとつ1ユーロか、2ユーロのストリートフードを頬張り、市場を歩く。イスラムとビザンチンとが融合した教会の見事なモザイクを見る。天井の高い貴族の館のバルコニーから中世を想う。そこで感じる全てのものは“生”へとつながる。ここパレルモには脈々と“生”が息づいている気がした。
そしてはっと気づくのだ。
自分は果たして、生きているのか? 生かされているのか?

この街には、深入りすればするほど、虜になる魅力がある。今すぐにでも戻りたい。そんな衝動に駆られる街がパレルモだろう。
シチリアは地中海の十字路という要衝にあったため、ギリシャをはじめ様々な勢力に支配されてきた歴史がある。そして、パレルモが中心となったのはアラブが支配した時代からだ。お馴染みのオレンジやレモン、ピスタッキオやアーモンド、砂糖、さらには米、クスクス、ゴマなどもアラブ人によってもたらされ、シチリア・パレルモ料理は発展していった。それには灌漑の技術によって農業を定着させたことが大きい。この灌漑の技術もアラブ人によるものだった。この時代は、シチリア、パレルモにとっての食の重要な時代だった。
その後、ノルマンの支配に変わり、パレルモ独自のアラブ・ノルマン文化が開花していく。そこにはカトリック、ギリシャ正教、イスラム教をも含む宗教や人種に偏見を持たずに受け入れたノルマン独自の考え方があったからで、この時代がパレルモの歴史にとって重要な時代であり、また現代のパレルモ気質の基礎を築いたのがこの時代ではないだろうかと想像できる。

パレルモの料理には、手の込んだ貴族的料理と、その素材を身近なものへアレンジし、庶民の味にした家庭料理と、ストリートフード的なものとが存在する。そして味付けに砂糖を使うことや、アーモンドや松の実、レーズンを多用すること、レモンが欠かせないこと、といった特徴が、歴史的流れの中で定着し、今でも健在だ。
パレルモに暮らす友人が言っていた。腐敗した政治、マフィア、廃墟のような下町、街の喧噪と、醜いこともたくさんあるけど、まずい食べものを見つけるのは難しい。確かにそうだ。
繰り返される歴史の中で人々は、生きる力を蓄え、どう生きるかを自身で学んできた。生きるためにどうするかをだ。結果、育まれてきた人間像は寛容で、ホスピタリティに溢れている。それがパレルモ最大の魅力だろう。

生かされず生きる。
“生”を感じにパレルモへ行こう。

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イベントレポート 7月19日(日)イタリア好きメルカート@さくら坂VIVACE

7月19日(日)
梅雨明けにふさわしい、燦々と輝く太陽と真っ青な空のもと、
イタリア好きメルカート@さくら坂VIVACEが開催されました!

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オープン直後から会場はお客様で賑やか!

地元の方々はもちろん、東京、千葉、群馬などから
足を運んでくださった方も大勢いらっしゃいました。

はじめてさくら坂VIVACEを訪れた方からは、
『こんな素敵な場所があるなんて!』とのお言葉。
感激していただけたようでなによりです!

+ + +

出店者のみなさんはイタリアにちなんだこだわりの品々を用意いただきました!

【さくら坂VIVACE】
旬の味が楽しめるイベント限定の本格的なパスタセットから、サルシッチャやポルケッタなど野外でも手軽に楽しめるメニューまで、たーっくさんそろえていただきました!
後藤シェフやイタリア人のアリーチェさんがつくる本場のイタリアの味、どれも美味しかったです。
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【パネッツァ】
イタリア好きのイベントでは度々ご参加いただいている、ローマ郊外の町ジェンツァーノのパンをもとにした窯焼きパン屋さん。様々な種類が楽しめるセット販売もしていただき、嬉しかったです!終始お客様とにこやかにお話されてた姿が印象的でした。
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【IL NESSO with Amorosokato club italia】
ナポリピッツァとトスカーナの味がコラボレーション!2種類のピザパンを販売いただきました。特にランプレドットは、フィリッポさんの出身であるフィレンツェの地元の味ということで、とっても人気でした!食べ応えあるピザパンとともにいただき、お腹も心もいっぱい~!
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【チッティーノ赤坂】
庭園の一角に建てられた小屋の石窯で焼いたマルゲリータ、もちもちの生地とシンプルな具材の旨みが絶妙でした!お土産に持って帰る方もたくさんいらっしゃいました。
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【パティスリー301】
イタリアらしいドルチェ3種類をご用意いただきました。私は改良に改良を重ねたというズッパイングレーゼ(トスカーナを訪れたイギリス人に振舞われた、伝統的なお酒を使ったドルチェ)をいただき、マニアックな味にわくわく♪早々に売り切れる大盛況ぶりでした。
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【ラミアイタリア】
オリーブオイルやモッツァレラなどのイタリア食材が並びました!中には、炭酸エスプレッソなるちょっと珍しいものも・・・!?アドリアーナさんは後藤シェフのデモンストレーションでも大活躍でしたね。
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【相沢農園】
太陽の光を浴びてつやっと輝く新鮮な野菜たち。見ているだけでウキウキしましたね。メニューを考えながらお買い物されるお客様、みなさんとても楽しそうでした!
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【-Handmade soap Të Të & chikiina-】
オリーブオイルをメインとした自然素材で作った色とりどりの石けん。体に優しく、見た目もかわいい、心のこもった品々が並びました。石けんづくりのワークショップコーナーもお客様の憩いの場となったようです!
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【カーサ デッラ チェラミカ】
青い空と若い緑色の田んぼを背景に、カラフルな南イタリアの手描き陶器やヨーロッパ雑貨が並びそこにいるだけで元気になれる空間でした。さらにオーナーご夫妻とのお話が弾み、お客様はますます笑顔になっていました♪
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【下山佳子写真展】
『イタリアで出逢ったステキな風景』をテーマにガイドブックやテレビでは見たことがないイタリアのさまざまな表情をおさめた写真の数々。見ているだけでイタリアに行きたくなってしまいました!
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【イタリア好き】
暑いからか、、、今回はTシャツが人気でしたよ♪イベント時などにしか販売していないマッシモのオリジナルグラスもかわいい~と好評でした。
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お食事やお買いもののほかに、イベントプログラムもご用意しました!

★マッシモ編集長のトークショー
みなさんを前に、いつもどおりリラックスモードでしたか?
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★後藤シェフのデモンストレーション
夏にぴったりのトスカーナの伝統料理パンツァネッラ(パン入りサラダ)を作っていただきました。お客様も興味津々!
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★プレゼントつきじゃんけん大会
LAVAZZAのコーヒーセット、KIMBOのカップソーサー&コーヒーセット、イタリア好きオリジナルTシャツといったイタリア気分を味わえるプレゼントをかけて、会場は大盛り上がりでした♪
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+ + + +


今回あまり馴染みのない場所での開催で、
準備期間中は「みなさん来てくれるかな~??」と不安になることもありましたが、

イベント当日はたくさんの笑顔があちこちにあふれる1日となり
スタッフ一同とても嬉しかったです!!



さくら坂VIVACEの後藤さんをはじめ、
企画段階から一緒にイベントを作り上げてくださったお店のスタッフや出店者のみなさん、
暑い中足をはび楽しんでくださった来場者のみなさん

本当にありがとうございました!!!


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Grazie!!!

編集長マッシモ松本と行く!秋になったらフリウリ・ヴェネツィア・ジュリアへ美食の旅のご案内。

編集長マッシモ松本と行く旅 第5弾
秋になったら フリウリ・ヴェネツィア・ジュリアへ美食の旅

もういつのまにか第5弾になってしまいましたね。

今回は初めての北イタリア、”フリウリ・ヴェネツィア・ジュリアへ。
一緒に行きましょう!
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その州都トリエステは、かつてオーストリアの一部だったこともあり、華やかなカフェ文化が残る風情豊な港街。
農作業の合間に仲間と交わす一杯のワインとつまみが、友情を深めていったというタユートという習慣が、今でも根強く残る街ウーディネ。
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州の最北部サウリス。ドイツ人兵士によってつくられた400人の小さな村。ここでつくられる地ビールと生ハムは、ぜひ味わってもらいたい。
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そしてもちろんワイン生産者も訪ねます。
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マンマの料理は、本誌でも紹介しているアントニエッタさん。素朴でおいしい料理が心をほっこりさせます。
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【日程】
2015年10月24日(土)~ 10月31(土) 8日間
*トリエステ集合-トリエステ解散
【料金】
イタリア現地8日間費用:
イタリアズッキーニクラブ会員価格298,000円 (参加人数13名~14名の場合は310,000円)
※非会員価格308,000円(参加人数13名~14名の場合:320,000)
*日程内の宿泊費(2人1部屋)、食事(毎朝食・昼食3回・夕食4回)、訪問料・講習費・通訳費・交通機関・現地手配費用が含まれます。
*上記費用には、航空代金、空港税、航空保険料などが含まれておりません。
別途にてお手配、費用がかかります。
*2015/6/30現在で換算しています。著しくレートの変動があった場合、ご旅行代金を変更する可能性があります。ご了承下さい。
●一人部屋追加代金:49,000円(7泊分)
*相部屋ご希望の方で相手の方がいらっしゃらない場合は、一人部屋追加料金がかかります。
*ツインよりお部屋が狭くなる場合がございます。
*航空券のお手配をご希望の方は、お問合せ下さい。
【定員】
15名様 (最少催行人数:13名様)
【申込期間】
7月3日(金) ~ 9月23日(水)まで。
*定員になり次第締め切ります。
【お問合せ】
アマテラス・イタリアデスク (株式会社フォルトゥーナ)
東京都港区麻布十番1-5-29-205
Mail:italia@fortuna.ne.jp
TEL:03-5772-8338
FAX: 03-6438-9990
担当:桃井/荻野

イタリアズッキーニパートナーズのイタリア版をスタートのお知らせ

イタリアズッキーニクラブ会員カードが ”イタリア” でも使えるようになりました !


いつもご愛読ありがとうございます。

最新号のローマの肉屋特集も、
今まで以上に皆さんに良い反応をいただいているようで安心しています。
すでにローマのお店を訪問した方からも、
写真付きでメッセージも送られてきました。
お店の方と一緒に写っている姿はとても良い雰囲気で、
僕もまた行きたくなります。

今までも掲載したお店や宿を訪れてくれている方が多く、
帰国後にメッセージをいただくと、とても嬉しいです。
そしてそういうお店や宿に僕が再訪すると、
「この前日本人が来たよ」と向こうも嬉しそうに話してくれます。

取材先は、なかなか訪問するのが難しいところや、
今まで日本人なんかほとんど来たことが無いようなところもありますので、
訪ねられた側もきっと喜びがひとしおなのでしょう。

この『イタリア好き』を通じてつながる喜びの機会を
もっともっと増やしたい。
そんな思いで過去の取材先にサービスの提供と、
それ以上に温かい気持ちで“イタリア好き”たちを
迎えてほしいと協力をお願いしました。

本日までにイタリア各地から30店舗ほどの協力を得られましたので、
第一弾として、本日よりイタリアズッキーニパートナーズの
イタリア版をスタート致します。

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ウンブリア州アメリアにあるアグリトゥーリズモ「サン・クリストフォロ」のジュリオさんと、麻衣子さん


特にサービスを出したり、受けてもらえることが大きな目的では無く、
これがイタリア旅行のきっかけとなり、また少しでも現地の人との
ふれあいの手助けになればいいなと思っています。


(注)
サービスの話がオーナー以外に通じないとか、聞いてないなど、
そんなこともあるかもしれませんが、そこはイタリア、
まあそんなこともあるさと大らかな気持ちで受け止めてくださいね。

マッシモ 松本

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イタリアで会員サービスを受けられるスポットはこちら!
https://italiazuki.com/it/location/

今後、さらにスポットの追加や情報の追加など、
充実したページにしていきますので、
お楽しみに☆
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[7月]全国のズッキーニパートナーズ開催イベントのお知らせ

全国のズッキーニパートナーズが発信する7月の開催イベントのご案内です。
ぜひ、チェックして気になるスポットを訪れてみてくださいね。

■□■日本イタリア料理教室協会[東京・港区]■□■

イタリア料理検定 事前講習会

2015年11月1日(日)実施のイタリア料理検定に向けての
ポイントを事前講習にて解説いたします。
イタリア料理検定に挑戦する方はもちろん、
20州の伝統料理や特産物について関心をお持ちのすべての皆様に
楽しんでいただける内容です。
イタリア好きの会員の皆様には教本2015年度版を進呈します。

【日時】 2015年7月26日(日) 10時~17時(9時半開場)
【参加費】 一般:11,880円
【詳細】
http://blog.livedoor.jp/ascig/archives/52431170.html

【お申込み方法】
以下、日本イタリア料理教室協会事務局までメールにてご連絡下さい。
info@ascig.com


★日本イタリア料理教室協会
http://www.ascig.com/
info@ascig.com 

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■□■ピッツェリア ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ岩原■□■
   [新潟・岩原スキー場内]

「期間限定!初夏のランチコース」
3種類の平日限定ランチコースをお得な料金で開催いたします!
コースはお肉料理コース、パスタコース、ピッツァコースの3種です。

【開催期間】2015年6月1日(月)~7月17日(金)

【料金】お肉料理コース:3860円(税込)
    パスタコース・ピッツァコース:2680円(税込)

【詳細はこちら】
http://news.pittore.jp/?eid=1273581
※ご予約お問い合わせは、お電話で承ります。


★ピッツェリア ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ岩原
http://www.pittore.jp/
025-787-3940

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■□■[銀座]トラットリア Trakane (トラカネ)■□■

5周年記念。ウニのリゾット。

シェフひとり10席だけの小さなトラットリア Trakane (トラカネ)
5周年記念特別メニューで、毎朝築地へ行き仕入れてくる
”新鮮なウニをたっぷり使ったリゾット”をご提供!

【期間】6/24~7/24のランチ

【詳細はこちら】
https://www.facebook.com/trakane.ginza


★トラットリア Trakane(トラカネ)
http://www.trakane.com/

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■□■リストランテ アル ポンテ[東京・日本橋]■□■

<1>イタリアンビールフェア

イタリアの4大ビールメーカーのビールを集めました。
軽快でまろやかな味のもの、クラフトビール、アルコール8度の
濃厚なフルボディのビールなど。
近年イタリアでもビールが人気とか。
ぜひ飲み比べてみて下さい。

【開催期間】7月1日(水) ~ビールが美味しい時期まで!!

<2>納涼プラン

前菜からデザート・コーヒーまでのコース料理と乾杯のスプマンテに、
白・赤ワイン、ソフトドリンクのフリードリンク付のプラン。
暑気払いや会合等に、アルポンテの納涼プランはいかがですか?

【開催期間】7月・8月 
【料金】お一人様6000円(税別)
【詳細はこちら】
http://www.alponte.jp/


★【RISTORANTE AL PONTE】
http://www.alponte.jp
TEL:03-3666-4499
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■□■LCI イタリアカルチャースタジオ[東京・吉祥寺]■□■

<1>APERITIVO MUSICALE イタリア音楽を楽しむ

アーティストの生演奏で、イタリア音楽を楽しみながら、
ワインを頂くアペリティーボのひと時!
様々なイタリアの名曲をセレクトし、ギターと弾き語りの演奏です。
夏の夕べに、イタリア好き同志で集まって、
音楽とともに過ごしましょう!

【日時】7月31日(金)18:00~20:30(時間内入退出自由)
【参加費】2,500円(税込) ワンドリンク付き(お食事など追加注文可)
【詳細はこちら】http://lci-italia.com/seminar.html
【お申込みはこちら】info@lci-italia.com

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<2>8月上旬 サルデーニャ郷土料理とワイン講座

久しぶりのサルデーニャ料理の会!
古くから伝わるサルデーニャ郷土料理を作ってみましょう。

粒つぶパスタのフレーグラとヒヨコ豆のスープや
ベジタブルなパナディーナなど。

【日時】
A)8月2日(日)11:00~14:00  
B)8月3日(月)10:00~13:00 
C)8月6日(木)19:00~22:00
D)8月7日(金)10:00~14:00 
E)8月9日(日)11:00~14:00

【会場】LCIイタリアxカルチャースタジオPart1.

【参加費】会費6000円(税込)
☆イタリアズッキーニクラブ会員割引5500円(税込)

【詳細はこちら】
http://lci-italia.com/cucina.html

【お申込みはこちら】info@lci-italia.com


★【LCI イタリアカルチャースタジオ】
各セミナーに関するお問合わせ、お申込みはこちら
http://www.lci-italia.com
info@lci-italia.com

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全国のズッキーニパートナーズ一覧はこちら
https://italiazuki.com/location/

開催スポットにて『イタリア好き』がGetできたり、
会員カード持参でお得な特典が受けられますよ♪
ぜひ、ご活用ください!
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バローロやバルバレスコと肩を並べるワインを造りだす醸造家 Presented by モンテ物産

Mr.Maule3ミラノから車で北東に向かうこと約2時間、東西に延びる長い谷をしばらく東に進んだ先にニーノ・ネグリ社がある。「この谷の続くエリア一帯がヴァルテッリーナと呼ばれるのだが、ここに向かいながら、左右に連なる山を見て何か気づかなかったかい?」出迎えてくれた物静かで上品な老紳士という印象のカシミーロ・マウレさんからの、唐突な質問だった。カシミーロ・マウレさんはニーノ・ネグリ社の醸造・経営責任者であり、2007年に年間最優秀エノロゴ(醸造家)に選ばれた同社の大黒柱だ。
「左手、つまり谷の北側の山の斜面にだけブドウ畑が広がっていただろう?向かい合わせの南側の山の斜面は北向きで日光が当たりにくいから、全くブドウ畑が無かったはずだよ。一方北側の山の斜面は南向きなので日当たりはいいが急勾配で、小さな段々畑をたくさん作るしかない上に作業も危険を伴い、足を滑らせて転げ落ちて怪我をするなんてこともあるんだ。通常1ヘクタールあたり年間200~300時間と言われる作業時間もこのあたりでは1000~1100時間にもなる。それでもヴァルテッリーナの農民たちは自分の畑を手放そうとしない。なぜなら畑はこの土地の文化や代々続く家族の繋がりの生き証人であり、歴史だけではなく魂で繋がった存在だからだ。自社畑のブドウだけではなく、昔から目標を共にする農家たちからブドウを購入しているが、彼らのブドウの品質の高さがニーノ・ネグリ社のクオリティーを支えていると言っても過言ではない。我々はワインを通して、我々の誇りであるこの土地と、それに関わる全ての人々の想いを消費者に伝えたいんだ。」
静かな語り口調だが、揺るぎない信念と情熱がひしひしと伝わってくる。

図1
北側に広がるアルプス山脈の山々に沿って東西に伸びているヴァルテッリーナ渓谷。ブドウ畑は渓谷の北側に広がっている。マロッジャ、サセッラ、グルメッロ、インフェルノ、ヴァルジェッラはヴァルテリーナDOCGエリアのSOTTOZONA *(サブゾーン)。
*SOTTOZONA (サブゾーン):DOCGを土壌やミクロクリマの違いなどによりさらにエリア分けしたもの。
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▲渓谷の北側斜面に広がる段々畑。
ヘリコプターと畑
▲急勾配の段々畑では、収穫時にヘリコプターも使用される
「このエリアの主役はなんと言ってもキアヴェンナスカだね。ピエモンテのネッビオーロと同じブドウだがこの辺りではキアヴェンナスカと呼ばれ、土壌や気候が異なるため違った味わいになる。味わいが変わっても長期熟成のポテンシャルは変わらず、何十年の熟成に耐えられるワインができることも我々が証明済みだよ。」

実際に70年代、80年代のニーノ・ネグリ社のワインを飲んだが、良い熟成をしたバローロやバルバレスコのように深みと複雑さがあり、まだ若々しさも感じられ、そのポテンシャルには驚かされた。
「また、それを陰干ししたスフルサート(スフォルツァート)も今やヴァルテッリーナを代表するワインだ。様々な賞を受賞している我々の“チンクエ・ステッレ(五つ星)”スフルサートは100日間も陰干しをして、水分を30%も落としてから醸造している。非常に凝縮感があるが、100日間も陰干しをするにはまずブドウが非常に健康であることと、常に谷間に吹いている風が必要になる。よくアマローネと比較されることがあるが、醸造工程が似ているだけで、私は似て非なるものだと思うよ。」

ロンバルディア州の中でもピエモンテ寄りの西側ではなく、遠く離れた北東のヴァルテッリーナでもネッビオーロ(キアヴェンナスカ)が栽培されているのは偶然ではなく、きっとその土地を選んだ先人の知恵なのだろう。
まずはキアヴェンナスカとピエモンテのネッビオーロを飲み比べ、さらにスフルサートとアマローネを比較してみるのも面白いだろう。よりヴァルテッリーナの魅力がわかるのではないだろうか。


CA’MONTE[カ・モンテ]
モンテ物産が輸入・販売しているイタリアワインやイタリア食材の中でも、厳選されたこだわりの商品を取り扱うWEBショップです。
市場に出回っていないワイン等楽しいことがいっぱいあります。
CA’MONTE