シチリア ピアッツァ・アルメリーナのパスティッチェリア Piazza Armerina Sicilia 

シチリア取材、初日の朝。

強い風の音で目が覚めた。

外に出ると、鮮やかな新緑の大地が迎えてくれた。

前日、深夜に到着した時は、あたりは真っ暗でその様子は伺えなかった。

春のシチリアは始めてだ。

気持ちの良い朝は、いいスタートの予感。

滞在はピアッツァ・アルメリーナのアグリトゥリズモ。

ピアッツァ・アルメリーナは、世界遺産にも登録されている、

ローマ時代のカサーレの別荘跡のモザイクが見事に残る。



8年前に訪れた時には、観光客でいっぱいで、ゆっくり見ることができなかったが、

今回は、早朝ということもあり、人もまばらで、

ゆっくりと鑑賞することができた。

そのモザイクからは、当時の生活の様子がそこに浮かんでくるようだ。

想像を膨らますと、さらにその絵の向こうが見えて楽しい。

そのモザイク跡のからほど近い町の中心に、1軒のパスティッチェリアがある。

取材の時は、翌週のパスクアを控えて、

ショーケースの中は、パスクア用のお菓子がたくさん。



鳩や仔羊を模ったお菓子が目につく。

型抜きして作るものと、ひとつひとつ手作りするものがあり、

どれも丁寧に仕上げられ、食べるのが惜しいくらいだ。



これはコロンビーナ・パスクアーレといい、アーモンドクリームの中にアーモンドがひと粒入っている。


他に定番のものとして、シチリア産のナッツ類をふんだんに使った焼き菓子や、

トロンチーニもあり、どれもおいしい。

そして、シチリアと言えば、ピスタッキオ。

エトナ山麓の町、ブロンテ産のピスタチオは、

赤紫色の薄皮と、鮮やかなグリーンの実のコントラストが素晴らしい。



甘味が強く、濃厚な味は、この地ならではのもの。

主人のジョゼッペさんは、自慢のジェラートをたっぷりと味あわせてくれた。

本場の味は、何物にも代えがたい。

うまい!



父親から引き継ぎ、お菓子つくりに没頭し、今でもつくることが大好きだというジョゼッペさん、

今の夢は、息子が店を継いでくれることだと言っていた。

こういう生き方が、シンプルで好きだ。

お土産に持ち帰った、トロンチーニは大好評だった。



イタリア好き委員会 松本浩明

写真 萬田康文

 

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