『イタリア好き』vol.13のプレゼント

シチリア特集お楽しみいただけていますか。

プレゼントページがシステム上の不具合により、申込ができなくなっていましたが、

昨日より復活しています。

今号のプレゼントはふたつ。

ひとつは、創業110年を誇るイタリア調理器具ブランド、ラゴスティーナの「メロディア シチューポット」

こちらをなんと3名様に!

(本誌p40にて掲載)

読者の方の中にもすでに愛用されている方も多いのではないでしょうか。



(写真:萬田康文)

シチリアのマンマ、カルメラさんはこれを使って、旬のカルチョーフィを調理してくれました。

シンプルなのに、シチリアの春の味が詰まった一品でした。

詳しくは本誌を!

 

そしてもうひとつは、スノードーム。

取材の旅にその地のスノードームを必ずひとつ購入してきて、
いまではイタリア好き委員会の事務所には、各州のスノードームがずらりと並んでいます。

今回はちょっとかわいかったのでふたつ購入し、そのひとつをプレゼントにしました!

(ひとつ~とブーイングが出そうですが・・・)

写真いちばん左が、プレゼントのシチリアのもの。





(写真:松本 次はもう少しきちんと撮影しようかな)

本誌を楽しんだあとに、ぜひプレゼント応募も!

 

イタリア好き委員会 松本浩明

 

 

vol.13シチリア州特集のお詫びと訂正

いつも『イタリア好き』ご愛読に感謝しています。
 
すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、
シチリア州特集の中で、p14とp18の本文の最後の部分が切れてしまっていました。
最終段階の私の確認ミスにより、このような形で発行し、
皆さまにお届けしてしまったことを、心より深くお詫び申し上げます。
誠に申しわけございませんでした。
ここに全文を載せた正しいページをアップさせていただきます。
改めてお読みいただければ幸いです。
今後このようなミスが起こらないように、注意深く進めてまいります。
引き続きよろしくお願いします。
 
『イタリア好き』発行人・編集長 松本浩明
 
p14
 

p18

 
 
 

シチリア特集

vol.132013年5月発行
在庫なし

おやじの粋なはからいと
シチリア美人

キリット晴れた雲ひとつない青空。
強い風は、波を防波堤に打ち寄せ、
海からの風を小路に流していく。
冷たい空気と潮の香り。

8年ぶりに訪れた、シラクーサ・オルティージャ島。
記憶を辿って、早朝の散歩に出かけた。
蘇る記憶と匂い。

前日の夕方ここに到着した。

パスクアを翌週に控え、町は浮かれ、そわそわして、例えるなら日本の年末、忘年会シーズンのようだった。

ドゥオーモ前の広場は賑わい、小さな子供はバルーン片手に走り回り、久しぶりに再会する地元の友人たちは談笑し、ショーウインドウには卵型のチョコが飾られ、おじいさんの持つ大きな荷物はきっと孫へのプレゼントだろう。

映画『マレーナ』は、壮麗なバロック様式のドゥオーモ前の広場を歩く、モニカ・ベルッチの美しさが印象的だった。このシーンの舞台となったのは、オルティージャ島だと、8年前シラクーサを訪れた時に、フォトジャーナリストの篠さんに教えてもらった。その時は、真夏の太陽がジリジリと刺すように照りつける昼下がりで、広場は静まり返っていた。歩いているのは、ポツポツと観光客くらい。地元の人は、夏の暑い昼間には外に出ない。

オルティージャ島の市場には今回初めて行った。やはり魚屋が目立つ。
早朝の開店したてとあって、まだ人はまばらだが、その土地で暮らす人々の生活が見える市場はいつも気分があがる。
魚屋のおやじアンジェロは、まな板の上に乗せられ、解体されようとしているサメの説明をまくし立てるように始めた。

小柄だががっちりした体格に、だみ声に髭、彫の深い顔。
その振る舞いからは、市場を仕切る親分のようだ。
どうやって食べるのかと思い、一所懸命に聞いていたのに、「いや、食べない」なんだ損した。
そうかと思うと、タンバリンを持ち出し歌い始める。
タンバリンは小気味よく、おやじの渋い声と絡み合い、どこか物憂げなシチリア独特の旋律は、早朝の市場にはあまり似つかわしくなかったように思うけれど、おやじのサービス精神は嬉しかった。

アンドレアは、パニーノをつくり続ける。
彼のパニーノはひとつのアートだ。
同じ市場内のチーズのお店。店先に並んだ焼いたリコッタが、僕の心を惹きつけた。
買い物に来たお客さんに創作パニーノを振る舞う。
自家製チーズは売っているんだからたくさんある。
ひとつつくってはまたひとつ。
チーズ、ハム、トマト、オリーヴ、チポッラ、店にあるものは何でも挟む。
パニーノのアイディアがどんどん溢れていく。
パニーノをつくるアンドレアの手先はまるで、マジシャンのよう。
次に何が出てくるのかが楽しみだ。
ワインも出てきた。
こんな店、日本にもないかなーと考えながら、パニーノをほおばる。
市場だから毎日来る顔がいる。
だけどサービス品だけを食べて帰る客はいない。
アンドレアの心意気と気さくな振る舞いは、お客を惹きつけて離さない。
損して得取れ。

僕にとってシラクーサは、とても思い出深いところだ。
この『イタリア好き』を発想した起点となったところと言ってもいい。

8年前ここで偶然出会った家族とのひと時。
真夏の昼下がり、汗をタラタラ流して歩いていたところ、外の日陰で昼食をしている家族がいた。
篠さんがカメラを向けると、快く撮影に応じてくれ、撮った写真を見せると盛り上がり、ワインやフルーツをご馳走になった。
そして、篠さんがやおらカンツォーネを歌い出すと、隣に座っていたおばさんが、
「あんたはダメ」と言って、
今までの話し声とは全く別の声で、歌い出した。歌は路地に響き、僕の心は高鳴った。
“イタリア”面白いぞ!
ここから僕は、イタリアという国の懐の深さと、大らかさを感じ、その魅力にはまっていった。

今回もまた、イタリアおやじの粋な魅力に心を奪われてしまったのだけれど、
実はそれ以上に心を奪われたのは、マレーナならぬマリリーナ(本誌4ページ)だった。

定期購読いただくと!

バックナンバーがもれなく3冊ついてくる!!
※どの号が届くかはお楽しみ♪

  • 1年間(4回発行)2,640円(税込)
  • 送料無料

『イタリア好き』バックナンバー

『イタリア好き』バックナンバーは単品でご購入いただけます。
*バックナンバー 1冊550円(税込)

『イタリアマンマのレシピ』 発売になりました!

5月17日(金)、『イタリアマンマのレシピ』が世界文化社から発売されました!



 

これは、創刊以来3年、編集長の松本さん、フォトグラファーの萬田さん、

ライターの私、というキャラクターも年齢も異なる妙な?!3人組(笑)

+各地の素晴らしいコーディネーターさんのご協力で

取材してきたイタリア10州の特長、13人のマンマと家族のストーリー、

彼女たちが教えてくれた32のレシピをまとめたものです。

本誌の人気連載「イタリア20州 マンマのレシピ」をベースにしていますが、

改めて、ひとりひとりのマンマに心を添わせ、それぞれの土地を感じ、

とっても愛しい気持ちになりながら、書かせていただきました。

登場するマンマたちは、各地で評判の料理上手で、チャーミングな女性ばかり。

長年、家族のためにつくり続けてきた、

それぞれの土地ならではの品々ばかりです。
確かに、名レストランでの食事はおいしいけれど、

毎日でも食べたくなる本当のイタリアの味は、マンマの料理。

つくっているうちに、自然とやさしい気持ちになり、

食べてみると、だれもがほっとできる味です。

各州の特徴やひとりひとりのマンマのストーリーを読んで料理をつくり、

あれこれ想像しながら、まずはこの本で、各地を旅してみてください。

そして、マンマの料理を味わいにイタリアへ!

食が人と人との心、見えない絆をつなぐこと、家族、幸せの価値観…

イタリアには、私たち日本人が忘れている大切なものが残っています。

Cucinare! Mangiare! Amore! Viva,Italia!
料理して!食べて!愛して!イタリア万歳!

イタリアの魅力がぎゅっとつまった1冊、ぜひご覧ください!



 

『イタリア好き』副編集長 ライター 板倉由未子

写真 萬田康文

シチリア ピアッツァ・アルメリーナのパスティッチェリア Piazza Armerina Sicilia 

シチリア取材、初日の朝。

強い風の音で目が覚めた。

外に出ると、鮮やかな新緑の大地が迎えてくれた。

前日、深夜に到着した時は、あたりは真っ暗でその様子は伺えなかった。

春のシチリアは始めてだ。

気持ちの良い朝は、いいスタートの予感。

滞在はピアッツァ・アルメリーナのアグリトゥリズモ。

ピアッツァ・アルメリーナは、世界遺産にも登録されている、

ローマ時代のカサーレの別荘跡のモザイクが見事に残る。



8年前に訪れた時には、観光客でいっぱいで、ゆっくり見ることができなかったが、

今回は、早朝ということもあり、人もまばらで、

ゆっくりと鑑賞することができた。

そのモザイクからは、当時の生活の様子がそこに浮かんでくるようだ。

想像を膨らますと、さらにその絵の向こうが見えて楽しい。

そのモザイク跡のからほど近い町の中心に、1軒のパスティッチェリアがある。

取材の時は、翌週のパスクアを控えて、

ショーケースの中は、パスクア用のお菓子がたくさん。



鳩や仔羊を模ったお菓子が目につく。

型抜きして作るものと、ひとつひとつ手作りするものがあり、

どれも丁寧に仕上げられ、食べるのが惜しいくらいだ。



これはコロンビーナ・パスクアーレといい、アーモンドクリームの中にアーモンドがひと粒入っている。


他に定番のものとして、シチリア産のナッツ類をふんだんに使った焼き菓子や、

トロンチーニもあり、どれもおいしい。

そして、シチリアと言えば、ピスタッキオ。

エトナ山麓の町、ブロンテ産のピスタチオは、

赤紫色の薄皮と、鮮やかなグリーンの実のコントラストが素晴らしい。



甘味が強く、濃厚な味は、この地ならではのもの。

主人のジョゼッペさんは、自慢のジェラートをたっぷりと味あわせてくれた。

本場の味は、何物にも代えがたい。

うまい!



父親から引き継ぎ、お菓子つくりに没頭し、今でもつくることが大好きだというジョゼッペさん、

今の夢は、息子が店を継いでくれることだと言っていた。

こういう生き方が、シンプルで好きだ。

お土産に持ち帰った、トロンチーニは大好評だった。



イタリア好き委員会 松本浩明

写真 萬田康文

 

☆☆☆『イタリア好き』最新号 シチリア特集☆☆☆

5月20日発行

イタリア好き委員会では、『イタリア好き』設置してくれる場所、

イタリアズッキーニパートナーズ(お料理教室、イタリア語会話教室など)を随時募集しています!

個人の方で、定期的に読みたい方は、

イタリアズッキーニクラブへぜひご登録ください。

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

フォトグラファー萬田さんのシチリア旅の記憶

シチリアのある朝。 ハードな散歩道とサボテンの迷路。 

3月初め。シチリア。ピアッツァ アルメリーナの風はすこし冬のにおいがした。

今回の取材が僕にとって初めてのシチリア上陸だった。

旅立つ前、シチリアのイメージは海と水分の少なそうな赤茶けた岩場。

過去の日本の雑誌のシチリア特集の印象や映画「ニューシネマパラダイス」を、

高校生の頃から何度もビデオで観ていたので海の残像が頭にある。

オープニングのサルヴァトーレの実家のまどから見えるあの海のイメージ。

ピアッツァ アルメリーナはシチリアの内陸だ。

海はない、赤茶けた岩場もない。

あるのは新緑のゆたかな丘陵地帯、富士山のような端正な稜線と雪を冠したエトナ山、

深緑の波がどこまでもつづくようなフィーコ ディ インディア(サボテン)の畑。

そうだしシチリアは大きな島だった。

自分が意識的に、また無意識的に収集した情報なんてものは、

いつも役に立たないと思わされる。

その場所に行かなければなにもわからないのだ。良い意味で期待は裏切られる。

 

小鳥たちがジュクジュクと鳴きじゃくる、ピアッツァ アルメリーナの早朝。

どこに行ってもイタリアにはいつも鳥達がたくさんいる。

夜が明けて間もない寒色と暖色の空のグラデーション。

同じ部屋に泊まる松本さんがジョギングに行くというので、1本のフィルムとカメラを持って朝の散歩に出かける。

 

宿泊先のアグリツーリズモの敷地内の農道のゆるやかな登り坂を、

松本さんは僕の先をかるい調子で走っていく。

僕は写真を撮りながらゆっくり歩く。

可憐に咲く道端の花が朝日に照らされているのなんかを撮りながら。

道の行き止まりで松本さんと合流すると、

松本さんが「帰りは遠回りして行こう」と言うので畑の道無き道をおおきく迂回して宿に戻る事にした。

そら豆がたくさん植えられた畑を登ったり下ったり、すこしの高低差で景色は、光の角度で変わる。

早くも夜露でスニーカーが濡れている。

ときどきカメラのシャッターを押す。

 

しばらく歩くとフィーコ ディ インディアの広大な畑に出た。

そのサボテンは木のように太い幹と大きな動物のような立体感をもつ。

腐りかけた幹を見る。それは皮膚病の大きな馬を連想させる。

畑は日当りを考えてかすこし勾配の強い斜面にある。

フィーコ ディ インディア達の群のなかを上へ下へ歩き回っていると、

不思議な迷路の中に閉じ込められたように感じた。

ちいさな野生の桜の花やみかんの実を見、小さな川を飛び越え、

木々のトンネルの小径を抜けたらアスファルトの地面になった。

朝の散歩という名の小さな旅は夜露と土が着いたスニーカーがアスファルトを踏んだ時、終わりを迎えた。

 

建物があるところまで辿り着く。

「お帰り、おはよう」。すでに顔見知りの大きく賢い宿のジャーマンシェパードが、

大きなしっぽを千切れんばかりに振って我々を待っていた。

われわれも「ただいま、おはよう」とこたえた。もちろんイタリア語で。

とりあえず水が飲みたい。



 
フォトグラファー  萬田康文

La festa del l’ITALIAZUKI ~ラツィオ・ローマ料理を楽しむ会~開催します!

イタリア好き委員会、6月の食事会は、ラツィオ・ローマ料理を楽しむ会

久しぶりの関西開催!

イタリア・ローマ出身のシェフ、ファブリツィオさんがつくる、ラツィオ・ローマ料理、

通常のメニューではない特別料理をたっぷりご用意!



そして、チーズを味わうには、いちばんおいしい、春に絞ったミルクを使ったペコリーノが、ローマから直送。

この季節ならでは味を楽しめます!

さらに、イタリア修行から戻ったばかりのパスティチェーラがつくるジェラートも必食。

 

******メニューの一部を紹介*****

☆Aperitivo + グラスワイン一杯付き

☆Festa del pecorino romano

ペコリーノロマーノ祭 (春のミルクのローマ直送絶品ペコリーノチーズ)

☆Antipasto misto al Casareccio

カサレッチョ風お野菜たっぷりの前菜

☆Bucatini all’amatriciana

アマトリチャーナソースのブカティーニ

☆Pasta alla papalina

教皇のパスタ(ローマ伝統料理、レアな一皿)

☆Pizza alla romana

ローマ風ピッツア

☆Porchetta

豪快ポルケッタ!
☆Abbacchio alla romana

ローマ風仔羊のグリル

☆Gelati misti

ジェラート☆スペシャル

 

※メニューの内容は予告なく変更になる場合もあります。

予めご了承ください。

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◇開催日:6月5日(水)19:00開場 19:30開宴

◇開催場所:Casareccio(カサレッチョ)

兵庫県尼崎市南武庫之荘1-22-23

06-6432-3232

http://casareccio.jp/index.htm

◇参加費:6,000円(税込) (非会員7,000円)着席式

アペリティーヴォ+ワンドリンク付き

◇定員: 30名

◇申込期間:開始5月3日(金) ~ 締め切り5月20日(月)

◇参加申込方法: info@italiazuki.com までメールでお申し込み下さい。

◇申込内容:会員番号、名前、電話番号、参加人数をお知らせください。

◇参加資格:イタリア好きな方。

※応募が多数の場合は、会員の方を優先させていただきます。

 

イタリア好き委員会

リグーリア州マンマ レナータ・メルキオンさん Liguria

『イタリア好き』創刊号に登場の、リグーリア州のマンマ、レナータ・メルキオンさん。
レナータさんは、ガラスを使ったアート作品をつくるアーティストでもある。

その色づかいや、きめ細やかなセンスは、家の中、料理にもあふれていた。



彼女がこの日つくってくれたのは、栗粉のタリアッテッレと、栗粉のケーキ。

栗粉は僕にはあまりなじみのなかった食材でしたが、

イタリア、特に北のほうではよく使われる食材。



クルミ、松の実、タジャスカ種のオリーヴオイルを使って、リグーリアらしい仕上がりに!

砂糖を使わない栗粉のケーキは、自然の甘みと香りでおいしい。

好きな色だというグリーン。キッチンには、その色の器具や、食器がセンスよく使われていた。

 

イタリア好き委員会 松本浩明

写真 萬田康文

 

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イタリア10州から”おいしい”を集めた

『イタリアマンマのレシピ』

イタリア好き委員会 編集

世界文化社より5月17日発売

1300円

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シチリア・シラクーサの朝  La mattina di Sicilia,siracusa

『イタリア好き』vol.13 シチリア特集は5月20日の発行です。
お届けまでにもうしばらくお待ちください。

 

風が強く、波の荒い日の早朝散歩。

サンマルティーノ教会。



流れる潮風と、差し込む朝陽がまぶしい路地。



重厚なバロック様式が迫力のドゥオーモ



市場ではカルチョーフィにトマト、ニンニク、パセリ、オリーヴオイルをかけて炭火で焼かれていた。



春の季節ならではのロセッティ。生でもフリットでもいける。



フィノッキオはスライスして、タロッコ(オレンジ)と一緒に、オリーヴオイルとバルサミコをかけてサラダで食べる。



 

イタリア好き委員会 松本浩明

写真:萬田康文