イタリアCINEMA好き― Fabrizio Bosso suona Nino Rota

イタリアのジャズシーンを代表するトランぺッター、ファブリッツィオ・ボッソ (Fabrizio Bosso) が
1年半ぶりに来日しました。
最近イタリアのジャズは非常にイキがよく、日本でも徐々に人気に火がついていますが、
その牽引役となっているのが、まさにこの人、ファブリッツィオ・ボッソ。
ハードバップからラテンまで、来日の度にいろんな面を見せてくれるボッソですが、
今回のステージは、彼の最新アルバム「ニーノ・ロータに捧ぐ~ゴッドファーザー」から
「サウンドトラック=映画音楽」をメインに、魅力あふれるライブをみせてくれました。

彼が映画音楽をとりあげたのは、もちろんこれが初めてというわけではなく、
ソロCD「You’ve Changed (日本発売タイトル:ニューシネマパラダイス)」などでも
たびたび演奏しています。

ご存じの方も多いと思いますが、ニーノ・ロータといえばイタリアが生んだ偉大な作曲家の一人。
クラシックも書いていますが、やはり日本では「道」「甘い生活」などのフェデリコ・フェリーニ作品や
「太陽がいっぱい」「ロミオとジュリエット」など、映画音楽の名曲の数々がとてもよく知られています。

このファブリッツィオ・ボッソのアルバムは日本では今年発売になりましたが、
そもそもは昨年2011年12月3日がニーノ・ロータの生誕百年にあたることからそれを記念して
ロンドン交響楽団と共に製作されたもので、ヨーロッパでは昨年末に発売されています。

5月18日(金)にブルーノート東京で行われたライブでは、
ファブリッツィオ・ボッソ(トランペット)、クラウディオ・フィリッピーニ(ピアノ)、
トンマーゾ・スカンナピエコ(ベース)、ロレンツォ・トゥッチ(ドラムス)のカルテットで、
フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー 愛のテーマ」や
ルキノ・ヴィスコンティ監督の「山猫」などの曲を、フルオーケストラのCDとは一味ちがう、
より“ジャズ”なテイストで聞かせてくれました。
ライブの終盤にはちょっとコミカルにおなじみのアニメ「フリントストーン」のテーマも交えたり、
ジャズファンのみならず、映画・映像のファンにも十分に楽しめる内容でした。



ファブリッツィオ・ボッソ@ブルーノート東京
2012年5月18日(金)~5月20日(日)

渡辺いさ子/ Isako Watanabe