東北関東大震災・長野県北部地震に寄せて

東北関東大地震・長野県北部地震の被災地の皆さまへ、 心からお見舞い申し上げます。 明日で発生から2週間が経とうとしています。 原発の問題も引き続き目を離せない状況ではありますが、 被災者の方々は力強く立ち上がって、復興へ向けて歩き出しています。 その様子を、ニュースや、ネットなどで見聞きするたびに、 逆に私たちに力と勇気を与えてくれます。 発生当時から今まで、フリーマガジンとはいえ、媒体を発行する身としては、 何をどう発信し、伝えていくかを悩んでいました。 あえてこの間のツイッターやブログは控えておりました。 そして何かできることがあるのか?ずっと自問自答していました。 その答えが少しずつ見えてきたのと、 昨日、お世話になっている長野県の諏訪角商店の社長さんから、 自家菜園で育てられた高原豆と、北海道産のトラ豆の「福ませ」が届きました。 そこに添えられたメッセージには、(以下転載) “粒々(りゅうりゅう)皆(みな)辛苦(しんく)なるを” 震災から10日目のTVのニュースを見ながら、時間をかけて豆を煮る。 私たちができることは、被災者の皆さまの苦難を想い、復興を為し遂げるために、 コツコツと苦労を積み重ねることと、生きていることに感謝する。 と書かれていました。 (さらに…)

『イタリア好き』関西イベント第一弾 延期のお知らせ

この度の東日本大震災の発生に伴い、

今週末に予定されていました、関西でのイベントを延期します。

次回の日程につきましては、改めて発表させていただきます。

早くから準備をしていただいた方、

参加を楽しみにされていた方には、大変申し訳なく思いますが、

ご理解のほどよろしくお願いいたします。

松本

カラブリア取材日記 5日目 牛とチーズとジャガイモ

出発前は微妙な空模様で、途中の山道は雪が多く残るところもあったが、

目的地に着くと、雲は多いものの、きれいに山並みが見える気持のよい日になった。

シーラ山の麓で酪農と、その生産物を提供するレストラン経営する兄弟を訪ねた。



チーズは『イタリア好き』では欠かせないネタのひとつ。

フォトグラフォ萬田はいつも牛のふんを踏む。

ここもまた牛や羊の育て方からこだわったところ。

自分のところで使う分だけを搾乳して、毎日新鮮なチーズを作る。

彼は元々ミラノの銀行でシステムの仕事をしていた。

その後家業に戻り、現在の仕事を続けている。



従前の仕事の経験が酪農に活かされ、新しいチャレンジも始めている。

そしてなんと言っても試食はできたてのチーズ。

この日はカチョカバッロのチーズをもとに作ってくれた“引き裂かれた布”という意味のストラッチャータ(Sarazz(cc)ata)

これ系のフレッシュなチーズはなかなか日本では味わえない。

いくらでも食べられる。





他にもトーマ(Toma)※北のピエモンテの方でも食べられるのもとは違うようだ は、



ウンカータ(Juncata)になる前のチーズ。味も食感も豆腐のようだ。

この後はお昼だというのに、チーズとワインでお腹が膨らむ。

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カラブリア取材日記 3日目 チョコレートと議員さんとカラオケ

朝一番の取材先はカラブリア伝統のお菓子工場へ。

このあたりでは、昔からイチジクがよく採れて、

その地元産イチジクにアーモンドを入れたりするお菓子は、

おじいさんの代から100年以上続く老舗。



今の季節は、イースター用の卵型のチョコを生産中。

小さな子供が入りそうなくらい大きなものもある。

※ここは掲載写真の規制が厳しく今はここまで。

本誌にて詳細をごらんください。

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カラブリア取材日記 2日目夜 宿泊先とイタリアンファミリーと家庭の味

2日目の夜

宿泊先のホテルがどうしても設備に無理があり、

寒くて眠れないという状況。

急きょ、エリオさんのお姉さんの家に宿泊先を移すことになる。

この夜は、我々が来ているということもあり、

家族が集まり皆で食事することになっていたらしく、

家に到着するとマンマと姉妹たち夫婦とその子供たち、家族皆で迎えてくれた。



食卓には既に料理が数多く並べられていて、

席に着くと豆を煮込んだ熱々のパスタが運ばれてきた。



寒い思いをしていたのを気遣ってくれたらしい、

この心遣いに感謝。

そしてこの日のヒットは、なんといってもチーマデラーパとジャガイモのいため、

カラブリア風(唐辛子を使ってます)。



今がまさに旬のチーマデラーパ。このほろ苦い味が日本の菜の花に近い味。

またこちらのジャガイモも味が濃くておいしい。

(これから先もジャガイモはたくさん食べることになる)

そしてもちろんワインは自家製。

対外イタリア人は、自分のワインが一番おいしいと言う。

でも、そうでないときも多いが、ここのワインはいける。

食事が終わり、部屋へ。

2階にある子供たちが以前使っていた部屋が、我々の宿泊先になった。

ここにあと4日滞在する。

色々と気遣いや不便もあるが、何より凍えずにすむのはありがたい。

カラブリア取材日記 2日目 チェドロと唐辛子とジェラート

2日目は、カラブリア特産のチェドロと唐辛子の取材。

どこの国でも、伝統的な特産物は、生活習慣の変化や、

文明の変化によって継承が危ぶまれているものも少なくない。

ここイタリアでもその傾向は変わらない。

でも、そういう時だからこそ守ろうとする力もきちんと働く。

日本でもそう。



この取材中に、逆取材も受ける。

CalNewsというイタリアの放送局。

『イタリア好き』発行についてインタヴューされる。



お昼はその取材陣も含めて大人数に。

VIGRI‘RESTAURANT



魚介を中心とした料理。

やっぱり長―いテーブルにずらっと並んで食る。



タコやシラスなど、ちょうど1年前のリグーリア取材を思い出す。

ニョッキは卵を使わないカラブリア流。

チェドロや唐辛子を料理に使う、この地区ならではの料理。

皆、食べる時が一番楽しい。





午後、唐辛子協会へ。

この地の名産唐辛子をどうにか付加価値をつけて、

世に送り出そうと、日夜研究に励む。

ガンに効くとか、ビタミンCなどの栄養価が高いとか、(日本のお昼の番組的)

とにかく色々な研究発表をしているが、なかなか確証はつかめない。

そんな中、唐辛子も色々な展開をしている。

そのひとつがジャム。(まあだいたいジャムにしてみる)

甘くて辛い、あまり必然を感じないので微妙だが、

このジャムを使ってタルトにするとこれがなかなかイケる。



日曜日の夕方、休日の最後を惜しむかのように皆が町を散歩する。

どこでもよく見られる光景。

そしてそこには当然、ジャラートがつきもの。

ディマンテにあるCAFEE’Nimiには、

お店の看板メニュー“TARTUFO DIAMANTE”がある。

トリュフの形をしたジャラートの中に、色々なものが入っている。

おススメはチェドロとヘーゼルナッツが入ったもので、

その上にいちじくのシロップをかけて食べる。

大人の味。おいしい。



写真:松本